農地転用に農水相抵抗 地方分権の閣僚折衝

5月20日8時1分配信 産経新聞

 増田寛也総務相と町村信孝官房長官は19日、地方分権のうち国から地方への事務権限移譲を政治主導で進めるため、首相官邸に国土交通、厚生労働、文部科学、農林水産の各閣僚を呼び、未解決となっている所管業務の移譲を求めた。このうち、舛添要一厚労相は全国一律になっている保育所や老人ホームなど福祉施設の設置基準について、一定の標準を定めたうえで自治体の条例に委ねる方針を表明した。しかし、農地転用の許可権限をめぐっては若林正俊農水相の抵抗で決着しなかった。

 国が定めた福祉施設の設置基準には施設に応じて、天井の高さや廊下の幅、さらには保育室の面積などが規定されている。基準を自治体の判断にすれば、小中学校の空き教室などの遊休施設を有効に活用できると見込まれている。

 冬柴鉄三国交相は、直轄国道約2万1500キロのうち約15%の整備・管理と、一級河川のうち1都道府県内で完結する53水系の約4割の管理を、それぞれ都道府県に移譲する方針を伝えた。国交相は、対象外として県庁所在地を結ぶ道路、環境や治水の面で重要な河川を挙げ、釧路川(北海道)や黒部川(富山県)を例示した。

 国交、厚労、文科各省に関係する権限移譲について、増田総務相は終了後の記者会見で、「政治的に事務方の話を乗り越えて進める第一歩だ」と評価した。町村長官も「まだ決着した段階にはない」としつつも「各閣僚が福田康夫首相の方針を受け、しっかりと判断をしたと思う」と述べた。

 一方農水相は、農地転用の許可権限の移譲を求められたが、政府の規制改革会議や経済財政諮問会議の議論を踏まえ今年秋にまとめる方針だと説明した上で、「地方分権の部分だけでつまみ食いされると農地改革全体の障害になる」と抵抗し、決着しなかった。農水相は終了後、記者団に「平行線ですな」とこたえた。

 権限の移譲については、地方分権改革推進委員会の求めに、関係府省がほぼ「ゼロ回答」を繰り返してきた。このため、総務相は4月末から先週にかけて、厚労、農水、国交、文科の関係4閣僚と相次いで折衝したが、大きな前進はなく、この日は町村長官も加勢する形で、再度求めた。しかし、農水相がこの日も抵抗したことで、懸案は残されたことになる。
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by deracine69 | 2008-05-20 08:01 | 政治  

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