自民・中川秀氏が戦闘宣言 ポスト福田か? 政界再編か?

5月26日23時28分配信 産経新聞

 経済成長重視の「上げ潮派」リーダーである自民党の中川秀直元幹事長が、政界再編をにらみ、快気炎を上げ始めた。26日発売の新著「官僚国家の崩壊」(講談社)では「霞が関改革」を掲げ、与謝野馨前官房長官ら「財政再建派」や官僚機構との戦闘を宣言。講演でも歯にきぬ着せぬ発言を続ける。小泉、安倍両政権では黒子役に徹してきた中川氏だが、自著では愛人問題にも触れ、過去を“清算”しており、「小泉改革路線の継承者として『ポスト福田』を狙い始めた」(閣僚経験者)との見方も強まっている。(加納宏幸)

 「サミット後の政局は『霧の中』といわれるが、ビジョンが共有されればおのずと同志が結集するものだ。ビジョンが先であり、政界再編はその結果だ」

 中川氏は26日、札幌市内で講演し、改革に抵抗する官僚機構と族議員の同盟関係を「(目に見えない)ステルス複合体」と名付けて激しく批判。官僚機構との対峙こそが政界再編の軸となるとの考えを強調した。

 夏から始まる社会保障・税制の抜本改革論議では、消費税率引き上げをめぐり「上げ潮派」と「財政再建派」の対立は必至だ。そうなれば9月の民主党代表選にも飛び火し、自民、民主両党が「改革派」と「守旧派」に再編され、新たな政治の枠組みが形成される-。これが中川氏の描く政界再編の「青写真」だ。

 著書はこの青写真を念頭に約300ページにわたり霞が関批判を展開している。「霞が関を中心とする各界の劣化したエリートたちが見えざる抵抗勢力の複合体を形成し、われわれの前に立ちはだかっている」「無駄を残したままの増税は、劣化したエリートの延命のために負担を国民に押し付けることを意味する」-。

 著書では名指しこそ避けたが、一連の霞が関批判は、消費税引き上げ容認を唱える与謝野氏らへの牽制(けんせい)ともいえる。

 中川氏は昨秋、特別会計の余剰金「霞ヶ関埋蔵金」を財政再建に充てるプランを提案した。これを与謝野氏が批判したことに端を発した両氏の対立は根深い。与謝野氏は自著「堂々たる政治」(新潮新書)で「上げ潮派」を痛烈に批判しており、今回の著書は「意趣返し」ともいえる。

 一方、中川氏は著書で平成12年秋に官房長官辞任の原因となった愛人問題に触れ、「付き合いを終わらせようとしたことがかえって彼女からの恨みを買い、何年も経てスキャンダルとなった」と赤裸々に告白した。問題を今後、再浮上させないためにあえて触れ、「みそぎ」にしたとの見方も強く、「次期内閣改造で入閣し、ポスト福田を狙うつもりでは」(自民中堅)との声も上がる。

 だが、中川氏が置かれた境遇は複雑だ。町村派の主導権をめぐり町村信孝官房長官との関係は冷え切っており、安倍晋三前首相は「ポスト福田」の有力候補である麻生太郎前幹事長との連携を強めている。小池百合子元防衛相らとの連携を深めれば、兄貴分の森喜朗元首相との関係にヒビが生じかねない。

 それでも中川氏が「改革の旗手」として名乗りを上げたのは、悲痛な決意の証ともいえる。

 「明治以来の日本を根本から転換する旗を立てようという私なりの覚悟をまとめた本だ。明日から批判のオンパレードかもしれないが、それで思わぬ人が『ステルス複合体』の一員だと明らかになるかもしれない。トップを狙うとか、そういうものを超越した本なんですよ。うん!」
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by deracine69 | 2008-05-26 23:28 | 政治  

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