増える保護者の理不尽要求 適切対応へマニュアル
2008/06/09 14:40 日本海新聞子どもが通う学校に理不尽な要求や苦情を繰り返す保護者が社会問題となる中、全国でクレーム対策に取り組む動きが始まっている。鳥取県内でも、県教委が適切な初期対応につなげようと、具体的な事例を基に対処法を示した教員向けの手引書の作成を計画中で、学校と保護者のコミュニケーション不足解消につなげる考えだ。
「数としてはそんなに多くはないが、むちゃなことを平気で学校に訴えてくる保護者が増えた」と、ある中学校長。
学校だけで解決できない問題は市町村教委などに報告しているが、教員にとっては精神的なストレスや多忙感の要因にもなる。
「世間の常識やものの道理とも合わないが、クレームを繰り返す保護者には何ら後ろめたさや罪悪感がない。だが、保護者の主張にも、あながち間違いではない部分もあり、対応が難しいケースもある」と、この校長は訴える。
県教委によると、子ども同士のささいなトラブルに保護者が過剰反応し、「相手の子を転校させてほしい」「担任を辞めさせてほしい」などと一方的な要求を繰り返し、「学校をめちゃくちゃにしてやる」と脅すケースもあった。担任を飛び越えて、学校長や各教育委員会、マスコミなどに直接苦情を訴える人が増えているという。
県教委では、小中学校課指導主事が中心となり、全国自治体の先例などを参考にしながら、昨年から対応手引の作成を検討。保護者のクレームには、学校側の不適切な初期対応が原因となっていることも多いため、具体的な事例を挙げながら、教員の対応の仕方やポイント、接遇の基本などをまとめるという。
早ければ夏ごろに完成させ、市町村教委を通じて学校現場に周知する。
県教委小中学校課は「学校の対応のまずさやコミュニケーション不足からクレームにつながるケースも多い。相手の訴えを真摯(しんし)に聞き、正確に事実把握した上で適切に対応することが基本。学校と保護者との信頼関係を築くことが解決への第一歩」と話している。
by deracine69 | 2008-06-09 14:40 | 社会