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1000億ジンバブエドル、価値たったパン1斤 国民の望みは連立より食糧

7月25日8時1分配信 産経新聞

 【ロンドン=木村正人】アフリカ南部ジンバブエで、ムガベ大統領が野党指導者と連立政権の樹立に向けた協議を始めることで合意した。同国の年間インフレ率は220万%に達し、中央銀行は1000億ジンバブエドル紙幣を発行。この巨額紙幣でもパン1斤しか買えない窮状ぶりだ。国連は500万人の食糧援助が必要と指摘しており、「歴史的な与野党合意」にも国民の不安は募る一方だ。

 現地からの報道によると、ムガベ氏と野党民主変革運動(MDC)のツァンギライ議長らは21日、南アフリカのムベキ大統領の仲介で与野党協議を始めることで合意。2週間以内に連立政権の枠組みを決める段取りだ。

 ムガベ政権の弾圧で大統領選の決選投票から撤退させられたツァンギライ氏が協議に応じたのは、野党支持者への暴力をすぐに止めさせる必要に迫られたからだ。ムガベ氏と親しいムベキ氏だけでなく、国連、アフリカ連合(AU)を協議の場に引き込むのに成功したことが大きかった。大統領選の不正を通じ「独立の英雄」に対する国民の信頼も地に落ちた。ムガベ氏は国際社会の批判をかわすため協議に応じざるを得なかったとみられている。

 主食トウモロコシの収穫量は昨年に比べ半減。国連は不足分40万トンを支援しようと計画しているが、ムガベ氏は地方での野党弾圧の実態が明るみに出るのを恐れてか国際非政府組織(NGO)の活動を禁止。食糧援助は完全に止まった。

 首都ハラレ在住の日本人男性によると、スーパーマーケットは南ア系の店を除くと陳列棚はガラガラ。ソフトクリームが1700億ジンバブエドル、ピザが1兆4000億ジンバブエドル。午後になると値段は必ず上がっている。支払いに小切手を使う人も多いが、急激なインフレで4、5日後の決済時には目減りするため、外国人は米ドル払いを要求されている。この男性は「昨年5月、1ドルの闇レートが4万2000ジンバブエドル。今は7000億ジンバブエドル。実際には16億7000万%のインフレ率だ」と言う。

by deracine69 | 2008-07-25 08:01 | アフリカ  

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