公明の「福田離れ」で…7月内閣改造を断念

2008年7月28日16時50分 夕刊フジ

 福田康夫首相は28日までに、検討している内閣改造について月内中の実施を断念した。表向き、スイスで開かれているWTO(世界貿易機関)の閣僚会合に出席している若林正俊農水相と甘利明経産相の帰国が31日に遅れる見込みとなったためだが、福田首相がしりごみする理由は別にある。いまや自民党の最大支持団体といわれる公明党が「福田離れ」に舵を切り始めたとの見方があるのだ。

 「WTOの結果は非常に重要だ。その(交渉の)最中に改造の有無の話はできないのではないか。まだ方針が決まっているわけではない」

 自民党の伊吹文明幹事長は28日昼の政府与党連絡会議でこう指摘。そのうえで内閣改造と臨時国会召集について「自民、公明両党首でよく話し合ってもらおう」と述べた。

 内閣改造は当初、先週末に福田首相と公明党の太田昭宏代表との党首会談を行った後、今週初めにも断行される予定だった。ところが、党首会談は結局セットされず、福田首相、太田氏とも「会う予定はなかった」と口をそろえた。

 この背景について、永田町事情通は「官邸サイドが党首会談を打診したが、公明党側が難色を示したようだ」と明かす。

 公明党は、来年夏に予定される東京都議選に全力を傾けている。これは、東京都が支持団体・創価学会のおひざ元であるためで、自民党に対し、次期総選挙は来年1月までに行うよう求めている。

 ただ、支持率上昇が期待できない状況での解散・総選挙は「政権転落」という危険を伴う。ここで注目されるのは、神崎武法前代表が今月2日にブチ上げた、「福田首相の手で衆院解散になるのか、次の首相で解散になるのか分からない」という発言だ。

 前出の永田町事情通は「神崎発言は北海道洞爺湖サミットの直前。公明党としては、内閣支持率へのサミット効果を注視していたが、期待外れに終わった。今回、党首会談に難色を示したのは、来年1月まで半年を切る中、リスクを伴う内閣改造を踏み切ることに不安があるようだ」と語る。

 公明党内からは「(総選挙の後は)ガラガラポンもあるかもしれない」(木庭健太郎参院幹事長)などと、民主党との連携を示唆する発言も聞かれる。

 こうした公明党側の言動に対し、自民党内には「これでは福田首相に『辞めろ』と言っているようなものではないか」(中堅)と反発する声も出ているが、自民党側にはジレンマもある。

 一連の小泉改革によって、かつて自民党選挙を支えた郵便局長会や農業団体、医師会といった支持団体は「自民党離れ」を加速させている。このため、各小選挙区に約2万票を持つという公明党はいまや「自民党の最大支持団体」ともいわれ、その意向を無視できないのだ。

 福田首相の苦悩は続きそうだ。
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by deracine69 | 2008-07-28 16:50 | 政治  

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