人気ブログランキング | 話題のタグを見る

苦悶する首都高 やっと1車線復旧

2008年8月9日15時5分 朝日新聞

苦悶する首都高 やっと1車線復旧_f0013182_022827.jpg タンクローリーが横転、炎上した首都高で9日、事故現場での片側1車線による暫定運用が始まる。全面復旧までは、まだ数カ月。1日115万台が走る東京の大動脈で起きた未曽有の事故は、周辺道路の交通に影響を与え、首都高速道路会社(東京)も対応に苦慮している。

 現場は5号池袋線の下り線と中央環状線の合流部。その上を走る上り線は、タンクローリーの炎で一部が沈下し、補修には橋げたを約40メートルにわたって替える必要がある。

 2車線区間が多い首都高では、事故は渋滞や通行止めにつながる。06年度、事故による通行止めは51回、07年度も52回だが、いずれも短時間がほとんどで、数カ月間という規制は経験がないという。

 日本道路交通情報センターによると、首都高の通行止めで、付近の一般道で激しい渋滞が起き、お盆前の納品に追われるトラックなどの通行量増加が拍車をかけている。国土交通省と都、警視庁なども信号機の調整、路上工事抑制などの対策に乗り出した。

 しかし、迂回(うかい)路の一般道を運行する都営の路線バスでは最大100分の遅れが出ている。都によると、8日は午前8時ごろから遅れが出始め、午後9時ごろまで続いた。

 タクシー運転手(59)によると、池袋駅から板橋区内の大学病院に行く場合、普段1300円前後の運賃が、事故後は1700円かかるようになった。「運賃は上がっても、渋滞で数はこなせないから、全体の売り上げは結局変わらない」という。

 事故後、首都高の交通量は1日平均で約10万台減。通行料収入は1日約4千万~5千万円減で、首都高速道路会社の経営を圧迫しかねない。同社幹部も「相当厳しい影響を覚悟している」と言う。

 しかし、首都高の事故で、補修工事の費用については原因者に求めても、料金収入が落ち込んだ分の損害を請求した例は過去にないという。

 ETC割引などはあるが、首都高は基本的に一律料金(東京線・普通車は現金で700円)。ある区間が通行止めでも、途中まで乗ったり、別ルートで迂回したりでき、一度でも車が首都高に乗り入れれば、損害にならない。

 さらに、減収にはガソリンなど石油高騰による車離れ、景気の落ち込み分が含まれているかもしれない。

 同社は「利用状況をすべて分析し、損害額を出すのは困難」。原因者への損害賠償について、佐々木克己社長も「支払い能力がどれだけあるかという問題もある。本当に悩ましい」と語った。

by deracine69 | 2008-08-09 15:05 | 社会  

<< 性行為によるエイズ感染者の割合が激増 野球 ガタガタの星野ジャパン >>