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北京の水はメダカが守る 日本の「生物センサー」活躍

2008年8月13日6時16分 朝日新聞

 メダカを使って水質を監視する「生物センサー」を福岡市の企業が開発し、この夏、中国・北京市のダムに設置された。五輪開催に伴うテロを警戒する同市が導入した。世界中のアスリートたちが集う北京の飲み水の安全を守るため、小さな魚が目を光らせている。

 モニター画面の中で、メダカが泳いでいた。福岡市の配電盤メーカー、正興(せいこう)電機製作所が開発した「フィッシュトキシメーター」。全体は冷蔵庫ほどの大きさの機器で、中に小さな水槽が二つあり、1匹ずつ入れたメダカの様子がモニターに映し出される。

 有害物質に反応して激しく動き回るなど、メダカが特定の動きを見せた場合に警報を出す仕組み。ダムの取水口や浄水場などに取り付けられ、水質の監視に使われる。

 同社バイオモニタリング研究室の荒巻聡・主任研究員(39)らによると、同様の機器を開発したメーカーはほかにもあるが、同社の製品はメダカをカメラ2台で監視することで、動きを3次元でとらえられるのが特長という。

 00年から九州大と共同研究を開始。02年から販売を始めた。広島県の浄水場をはじめ福岡市や長崎県諫早市、秋田市、沖縄県東村などに納入し、米国や韓国、台湾でも使われているという。

 昨年10月、中国・蘇州であった展示会で北京市水務局の目にとまり、今年7月、北京市郊外のダムに設置された。日本と水質が違う中国では日本のメダカが生きられないため、メダカに似たコイ科のアカヒレを入れている。

 「自分たちの製品が海外でも評価され、安全に貢献できていることはやりがいになる。魚たちには頑張ってほしい」と荒巻さん。井上信之社長は「工場排水のチェックなどにも役立ててもらえれば」と期待している。(福島慎吾)

by deracine69 | 2008-08-13 06:16 | アジア・大洋州  

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