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550万円裏づけできるか 太田氏、事務所費問題説明へ

2008年8月28日22時29分 朝日新聞

 秘書の自宅を「事務所」にして05年と06年の2年間で550万円余の事務所費を計上していた太田誠一農林水産相が早ければ29日にも、その使途などを説明する。当時の政治資金規正法上は公表の義務がない領収書も示す意向だ。背景には、故・松岡利勝元農水相の「ナントカ還元水」のように、経費としての裏づけが説明しきれずに窮地に追い込まれた苦い教訓があるからだが、果たして有権者を納得させられるか。

 「計上している経費はすべて実際に支出している経費です」。太田氏は26日の記者会見で、自らの政治団体「太田誠一代議士を育てる会」の事務所費などの支出を「不透明」とする見方に反論した。

 この団体は82年に前身が設立された後、名称と「主たる事務所」の所在地をたびたび変更。東京都内にある政策秘書(当時、現農水相秘書官)の自宅を「主たる事務所」と届けていた期間のうち、落選前の00~02年に経常経費約2484万円(うち事務所費約948万円)、05年、06年に2346万円(同約550万円)を計上。民家に置いているためか、経常経費の一つである光熱水費はずっとゼロだった。

 太田氏は、秘書宅に事務所を置いたのは「次善の策」と説明している。資金管理団体以外の政治団体の事務所を議員会館に置くことができないとする衆院議院運営委員会の決定があるからだ。

 では、今回のケースでなぜ、「不透明」と見られるのか。まず、一般的に、事務所としては考えにくい秘書の自宅が「主たる事務所」で、しかも家賃も支払っていないことだ。これについて、総務省の職員は「専用の事務所を持てない『議員』は多い。政治資金規正法に規定はなく、秘書の家に事務所を置いたからおかしいとまではいえない」と話す。

 「主たる事務所」は政治団体が活動の中心と考える場所を届ければよく、事務所としての専用スペースが不可欠とまでは言えないのだという。太田氏が26日の会見で「(秘書には)支払われていない」と明かした家賃も、その支払いの有無は「主たる事務所」の要件ではない――との見解だ。

 では、そこに2年で550万円余の事務所費が必要なのか。事務所費という名前から家賃をイメージしがちだが、実は切手や電話代など事務所で使われる諸費用を計上するのがこの項目。発送する郵便物の数などにより、家賃とは別に、これを数千万円単位で計上している議員がいるのが実情だ。

 となると、焦点は、資料を含めて太田氏が説明しきれるかどうかだ。ただ、支出当時の政治資金規正法は、経常経費の領収書の公開を義務づけておらず、領収書をとることが定められているのは1件5万円以上の支出だけだから、太田氏が探してみても1件5万円未満の支出は領収書がないという事態もないわけではない。さらに、すべての支出を記した会計帳簿を会見で示そうにも、保存期間は公表から3年間。廃棄されていれば03年分以前は「ブラックボックス」となる可能性もある。

 実際、過去の事務所費問題では、どこまでが問題なのかをめぐる議論が深まらないまま、もっぱら疑惑をかけられた後の政治家の対応によって進退が左右されてきた。

 「成功例」は、秘書用の独身寮を新築した費用などを政治団体の事務所費に計上したことが「法が禁じる財テクでは」との疑惑を持たれた小沢一郎・民主党代表のケースだ。「口べたな東北かたぎ」を自認する小沢氏が、このときは弁護士立ち会いの下で売買契約書や権利証まで公開し、批判をかわした。

 一方、高額な光熱水費の使い道について「ナントカ還元水」などと国会答弁した松岡氏は「適切に(政治資金の収支を)報告」していると紋切り型の答弁を繰り返し、集中砲火を浴びた(後に自殺)。事務所費問題ばかりか、会見にばんそうこうを張って現れた理由まで十分に説明しなかった赤城徳彦元農水相の姿はワイドショーも含むテレビ番組で繰り返し放送され、昨年の参院選の自民党大敗の要因となった。


太田農水相、29日説明=領収書も公開-事務所費問題
8月28日22時58分配信 時事通信

 太田誠一農水相は28日、秘書の自宅を政治団体の事務所として届け出て、経費を計上していた問題について、29日午前の閣議後の記者会見で経費の内訳などを説明することを決めた。関係者が明らかにした。農水相は領収書も公開する考えだ。

by deracine69 | 2008-08-28 22:29 | 政治  

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