首相退陣表明:識者「予想以上に早く」「政権交代近づく」

2008年9月1日 22時44分 毎日新聞

 福田首相の突然の辞任表明をどう見るか。識者に聞いた。

 ◇予想以上に早く

 政治評論家、屋山太郎さんの話 1カ月前に自前の内閣を作って閉そく感を突破しようとしたが、支持率が上がらず、もうだめだと見切ったのだろう。年内は持たないと思っていたが、予想以上に早い決断だった。臨時国会の会期について公明党から「わがまま」を言われて、嫌になったのだろう。「1月解散」説を流され、それを覆そうと思ったのかもしれない。国会が始まってからの辞任では迷惑がかかるから、早めに決めたということだろうか。それにしても首相になってこれまで何もしなかった。

 ◇政権交代近づいた

 評論家・室伏哲郎さんの話 福田さんの性格を考えれば、当然と言えば当然の結果だと思う。公明党の圧力もあり、切羽詰まった状態になったのだろう。安倍前首相が突然辞めた前例もあるし、難局に当たるのは荷が重過ぎると思ったのではないか。政権交代の時期が近づいたのではないかと思う。

 ◇自民党もう終わり

 「麻垣康三」の名付け親で政治評論家・有馬晴海さんの話 選挙に勝つために政権を放り出したようなもの。安倍前首相に続く無責任極まりない行動で、自民党はもう終わりだ。辞任するなら、内閣改造前などもっとタイミングがあったはず。北京五輪での「せいぜい頑張ってください」との激励に象徴されるように、人ごとに終始した内閣だった。

 ◇総選挙対策だろう

 政治評論家・森田実さんの話 総選挙で自民党が生き残るための策だと思う。党代表選挙で小沢氏に一本化した民主党に対し、自民党は9月中に総裁選を米国大統領選並みに大々的にやり、オープンな議論でイメージアップを図る作戦だろう。新体制で政策を発表し、選挙になだれ込むつもりではないか。

 ◇根気が尽きたのか

 政治評論家・浅川博忠さんの話 「前門の虎、後門の狼(おおかみ)」ならぬ、「前門の小沢、後門の公明党」に挟み撃ちにされ、根気が尽きてしまったのだろう。タイミングを考えれば無責任極まりなく、安倍前首相と五十歩百歩。安易に大連立構想に乗った結果、民主党を硬化させてしまい、その後もねじれ国会に対応できなかった。そのツケが来たということだ。

 ◇公明シナリオ通り

 政治アナリスト・伊藤惇夫さんの話 唐突な感は否めないが、臨時国会を自分で乗り切る自信が持てなかったのだろう。自民党総裁選は、大本命の麻生さんの無投票当選では批判を浴びるので、対抗馬は必ず出すだろう。激しい選挙戦で注目を集めれば、新総裁はしばらくはご祝儀相場の支持率を得られる。時間を置かずに総選挙になるでしょう。ある意味、公明党のシナリオ通りだ。福田さんは徳川(幕府最後の)十五代将軍になりたくなかったのだろう。

 ◇米と比べ悲しい

 演出家・テリー伊藤さんの話 70歳を過ぎた一国の総理が「野党も国会審議に応じないだろうし」などと、他人のせいにしながら辞めていくのを見るのは悲しい。米国ではマケイン氏やオバマ氏が熱く夢を語っているのに、日本のトップはなんと頼りないのか。おそらく周囲にあまり相談もせず、このタイミングの辞任は自民党にとっても誤算で痛手だろうが、福田さんを選んだ自民党の責任は重い。次の総裁を選ぶ前に、解散してほしいと思う人は多いのでは。
[PR]

by deracine69 | 2008-09-01 22:44 | 政治  

<< <首相退陣表明>「トリプル安も... 次期首相に関心=麻生氏には警戒... >>