<首相退陣表明>経済政策 「三重苦」で成果残せず

9月1日23時42分配信 毎日新聞

 福田康夫首相が就任した昨年9月以降、世界経済は金融不安、景気後退懸念、インフレ圧力の「三重苦」にさらされるなど急速に悪化。日経平均株価は約1年で3600円余り下落し、国内景気も後退局面入りする厳しい状況の中、福田政権は、経済成長の明確な道筋を示せなかった。議長国として臨んだ7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)でも、地球温暖化問題などで強力なリーダーシップを発揮できたとはいえず、アピール不足のままの幕引きとなった。

 日銀総裁人事をめぐっては、民主党が反対姿勢を貫き、2度にわたって総裁人事が不同意とされ、戦後初となる総裁空席の事態を招いた。特に武藤敏郎副総裁の昇格人事案が否決された後、同じ大蔵次官OBの田波耕治・国際協力銀行総裁を充てる人事案を提示し、不同意とされた時は「福田首相の意図が分からない」との批判を浴び、膠着(こうちゃく)状態に。副総裁はいまだ空席のままだ。

 道路特定財源をめぐっても4月1日の暫定税率失効の事態を回避するため、全額一般財源化を表明したものの、やはり民主党の同意が得られず、暫定税率が1カ月にわたり失効。ガソリン価格が大幅に上下するなど国民生活の混乱を招いた。

 更には中国の輸入ギョーザによる中毒事件の発生などで、消費者庁の創設など国民の安全・安心を確保する対策にも追われた。これらの課題の中で小泉、安倍政権下で経済成長を最優先させた「上げ潮派」とも距離を置くかたちになり、構造改革路線も後退を余儀なくされた。

 一方、北海道洞爺湖サミットは支持率が低迷する福田首相にとって、アピールの絶好の機会のはずだった。福田首相はサミットに先立って、日本の地球温暖化対策の道筋を示す「福田ビジョン」を策定するなど、積極的な姿勢を見せた。しかし温室効果ガス削減を巡る先進国と途上国との思惑の違いなどで明確なメッセージを発することができないままサミットは閉幕。政権浮揚にはつながらなかった。【平地修、赤間清広】
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by deracine69 | 2008-09-01 23:42 | 政治  

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