福田首相、麻生氏に放り投げ辞任

2008年9月2日06時03分 スポーツ報知

 福田康夫首相(72)が1日、電撃辞任した。首相官邸で記者会見し「国民生活を考え、新しい布陣を整えた上で国会に臨むべき」と語った。昨年、突然辞任した安倍晋三前首相(53)に続く前代未記者会見聞の“放り投げ”辞任。自民党は総裁選実施に向けて動き出したが、後継総裁は「ポスト福田」で活動を続けてきた麻生太郎幹事長(67)が最有力。「麻生首相」が実現した場合は「11月にも総選挙」と予想する声が上がっている。

 激震が走った。午後9時半。東京・永田町の首相官邸で会見した福田首相は「安倍前首相からバトンタッチして以来、次から次へと、積年の問題が顕在化し、処理に忙殺された。国民生活を考え、新しい布陣を整えた上で国会にのぞむべきだ」と声を震わせ、辞任を表明した。前任の安倍氏の放り投げぶりと重なる政権投げ出し劇。永田町は困惑しつつも、「次」に向けて動き出した。

 福田首相は辞任表明の数時間前、官邸で麻生太郎幹事長と会談。「党総裁選を華々しくやって下さい」と語り、自民党はさっそく総裁選実施の準備に着手。その本命となるのが麻生氏だ。

 日付も変わった2日未明、東京・永田町の自民党本部に現れた麻生氏は「首相から自分がやってきたことを実行に移せる人を、という話があった。適任かなと思わないわけでない」と事実上の出馬表明をした。

 漫画を始め、若者文化に理解が深い「オタク人気」が絶大。べらんめえ口調で演説のうまさは福田首相とは対照的だ。総裁選には過去3回出馬。昨年9月には福田首相との一騎打ちに敗れたが、存在感を示した。前回の総裁選後は役職を辞退。「ポスト福田」の野望を抱えて地方行脚などを続けてきたが、8月の党役員人事刷新で、福田首相に党幹事長の職を三顧の礼で迎えられた。就任要請の際には首相との間で「禅譲論」のうわさが飛び交ったほどだった。

 今後、対抗馬に様々な名前が挙がってくるのは確実だが、連立のタッグを組む公明党との関係が良好な麻生氏が軸。与党内では「麻生首相」は折り込み済みと言える。

 新首相の最初の仕事は「衆院解散・総選挙」のタイミングを図ることだ。与党内では「福田首相の下では衆院選は戦えない」と公然と議論されてきた。今回は電撃辞任ではあるが、混迷を深める与党への逆風をかわすため、“鮮度”が落ちないうちに早期解散に打って出るシナリオは与党内でも語られていたものの1つだ。

 解散総選挙の時期について、政治評論家の浅川博忠氏は「本年度補正予算案が自然成立する11月中旬以降の解散もありうる。総選挙は12月末になる」と予想。政治評論家の有馬晴海氏は「ねじれ国会では麻生氏でも何もできないということが見えてくる。メッキがはがれないうちに選挙をやる方がいいということになる」と指摘し「大安の11月23日が投票日となる可能性も高い」と語った。ベテラン議員の間でも「秋決戦になる」と解散は越年を待たないとの見通しが強まっている。

 福田首相は“伝家の宝刀”を封印したまま、トップリーダーのイスを降りた。だが、その決断が与野党の一大決戦の開始の合図となった。
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by deracine69 | 2008-09-02 06:03 | 政治  

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