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松下、社名変われど…伝統の「朝会」は継承 幸之助氏の精神唱和

9月4日7時0分配信 産経新聞

 松下電器産業は3日、パナソニックに社名変更する10月1日以降も、創業者の故松下幸之助氏の制定した綱領・信条・7精神などを各職場ごとに唱和する「朝会」を続ける方針を固めた。“経営の神様”と呼ばれた幸之助氏の理念を全従業員に徹底する場として必要と判断した。

 朝会は毎朝、職場別に開かれる同社独特の行事で、幸之助氏の定めた使命を職場全員が思い起こすと同時に、連帯感をはぐくむ狙いもある。始業とともに席を立って社歌を斉唱、歌い終わると綱領や信条などを唱和し、社員らが日ごろ考えている所感を発表する。

 幸之助氏が「松下電器の使命は水道の水のごとく、物資を無尽蔵にしよう」という「水道哲学」を語った創業記念日(昭和7年5月5日)以降、朝会は自然発生的に行われ、昭和8年の事業部制発足をきっかけに全社的に始まった。職場全員で一致した活動を生み出す役割を果たしてきたという。

 今年1月、「松下」の名前を社名から外すことを表明した同社だが、平成20年度から経営幹部層を対象にした創業理念の研修をスタート。幸之助氏の旧宅「光雲荘」(兵庫県西宮市)を来年5月までに大阪府枚方市にある同社の研修施設に移築し、社員が学ぶ場として活用する計画も進めている。経営理念が風化することのないよう「従来以上に社内に浸透させる」(大坪文雄社長)考えだ。

 同社では、創業者の名前にちなんで考案されたという社章は「Panasonic」のロゴマークに統一するほか、社歌「愛と光と夢で」も廃止される方針だ。グループ共通の新社歌の作曲をアニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」など宮崎駿監督作品のテーマソングの作曲で知られる久石譲氏に、作詞を多くのヒット作で知られる森雪之丞氏に依頼するなど、社名変更に伴う改革の動きもある。

 ただし、企業を「社会の公器」と位置づける松下の経営理念は時代を超えて“別格”といえそうで、新生パナソニックでも、幸之助氏の創業の精神は脈々と引き継がれることになりそうだ。

by deracine69 | 2008-09-04 07:00 | 経済・企業  

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