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国は白紙撤回を=川辺川ダム、蒲島知事が反対-着工への道のり険しく・熊本県

9月11日10時37分配信 時事通信

 国土交通省が計画中の熊本県南部の球磨川水系の川辺川ダム(相良村)について、蒲島郁夫熊本県知事は11日の9月定例県議会で、建設に反対し、同省に計画の白紙撤回を求めていく意向を表明した。同ダム建設は国が行う直轄事業で、知事の同意を必ずしも必要としないが、関係自治体の一部や市民団体の根強い反対もあり、着工への道のりは険しくなった。国交省がダムを建設しない治水方法を含め、河川整備計画の見直しを迫られるのは必至だ。

 蒲島知事は「人吉市長や相良村長ら住民独自の意思を尊重すべきだ。球磨川は将来に残すべき宝」とダム建設反対の理由を説明した。

 川辺川ダムは1966年の建設計画発表から42年が経過した。国交省は、2007年に策定した球磨川水系の河川整備基本方針に沿って具体的な整備計画の策定を進めており、今年8月、「洪水調節施設として川辺川ダムを建設する」との基本的な考え方を示した。

 策定に際しては、河川法で地元知事からの意見聴取が定められている。国交省は「熊本県知事の意見を重く受け止め、河川整備計画(原案)を作成する」としており、蒲島知事の意見がどの程度反映されるかが注目される。 


<川辺川ダム>蒲島熊本県知事が建設中止求める 議会で表明
9月11日11時23分配信 毎日新聞

 熊本県の蒲島郁夫知事は11日開会した9月県議会で、国が同県相良村に計画する川辺川ダム計画について「現行計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を求める」と述べ、建設中止を求めた。同ダムは国の計画発表から42年が経過する中、本体着工の見通しが立っていなかった。巨大公共事業の象徴でもある同計画は、地元首長に続く知事の反対表明で中止に追い込まれる可能性が出てきた。

 蒲島知事は議会冒頭の議案説明の中で同ダム問題に言及。「流域住民にとって(川辺川を含む)球磨川(水系)そのものが守るべき財産であり宝。そうしたローカルの価値観を尊重したい」とダム反対の理由を述べた。

 さらに「国土交通省には、ダムによらない治水を極限まで検討するよう強く求めたい」と述べた。知事はダムの代わりに「河床掘削や遊水池などのハードと、緊急避難システムなどのソフト対策を進めたい」と話した。

 河川法は、治水計画策定時に地元知事の意見を聞くよう定めている。知事の意見に法的拘束力はないが、実質的に大きな影響力を持つとみられている。

 事業主体の国土交通省はすでに、川辺川ダムを含む球磨川水系の治水計画の策定に入っている。8月には現計画よりやや小さい貯水型と、通常時は貯水せず、洪水時にのみ水をためる穴あき(流水)型を選択肢として提示していた。

 知事発言を受け、同省は早急に対応策を協議する方針だ。

 川辺川ダムは、水没予定地を抱え、計画発表当初に激しい反対運動を繰り広げた五木村が96年に、ダム本体の着工に同意した。しかし、その後も推進派と反対派の議論が続いた。03年以降、ダムの目的から利水と発電が消え、新たな治水計画策定に向けた県の態度表明が注目されていた。

 蒲島知事は今年3月の知事選で「川辺川ダム問題は半年間検討し、9月に表明する」と訴えて初当選。有識者による会議を設置したほか、公聴会を開催したり、地元市町村長▽県議会▽国交省などの意見を聞くなどして判断材料を集めた。【笠井光俊】

 【ことば】川辺川ダム

 球磨川支流の川辺川上流に計画された治水、かんがい、発電の多目的ダム。旧建設省が66年に計画を発表した。高さ107.5メートル、貯水量1億3300万トンで九州最大級。しかし、川辺川利水訴訟で敗訴した農水省がダムによる利水を断念。さらに電源開発も発電事業から撤退した。2650億円としていた総事業費について、国土交通省は今年8月、貯水型で3400億円、穴あき(流水)型で3300億円に変更した。

by deracine69 | 2008-09-11 10:37 | 行政・公務員  

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