厚労相「後期医療廃止案」 説明なく公明不快感

9月21日8時0分配信 産経新聞

 舛添要一厚生労働相は20日午前の民放テレビ番組で、75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度について、「どんなに論理的で細密に作られていても、国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と述べ、現行制度を廃止し、新制度創設を検討する私案を明らかにした。

 新制度の基本方針については、(1)「75歳以上」といった年齢による区分けを行わない(2)保険料の年金天引きは強制しない(3)若年層への過度の負担で世代間の対立を助長させない-などと説明し、具体的には現行の「独立保険方式」と、高齢になっても従来の国民健康保険や企業の健康保険に加入し続ける「突き抜け方式」、加入者の年齢や所得に応じて各医療保険間で財政調整を行う「リスク構造調整方式」の3方式を部分的に組み合わせる考えだ。当面は現行の後期高齢者医療制度を継続し、その上で1年以上かけて議論し、新制度に移行したいという。

 舛添氏はこの考え方について、次期首相就任が有力視される自民党の麻生太郎幹事長にも同意を得ていると説明したが、公明党の山口那津男政調会長が「事前に話を聞いていない」と苦言を呈するなど、与党内に反発も出ている。


<後期高齢者医療>舛添氏の見直し表明に「猟官運動」批判も
9月21日0時44分配信 毎日新聞

 舛添要一厚生労働相が政権末期の中、後期高齢者医療制度の見直しを表明したのは、批判がやまない制度の抜本改革を掲げ、次期衆院選を与党に有利に導く狙いがあるとみられる。ただ、舛添氏が言う「各制度をうまく組み合わせた改正」は難しい。構想を自民党総裁選で優勢な麻生太郎幹事長に持ち込んだことに対しては「政策を私物化した猟官運動」(厚労省幹部)という批判も出ている。

 舛添氏は20日朝、記者団に「どんなにいい制度でも国民の支持が得られないと長続きしない」と表明。(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長させない--の3原則に基づき、次期政権で見直し案を議論する考えを強調した。

 具体的には、高齢化率が高く財政が苦しい市町村の国民健康保険を現役世代が多く比較的豊かな大企業の健康保険組合などが支援する「リスク構造調整方式」と、定年後も従来の健保に加入して後輩が支える「突き抜け方式」などの利点を取り入れるという。

 しかし、両方式を融合した旧制度が破綻(はたん)寸前だったからこそ後期高齢者医療制度は考案された。高齢者医療費にあえぐ健保の解散が相次ぐ中、リスク構造調整方式なら現役の負担がさらに増え「世代間の反目」を助長しかねない。一方、突き抜け方式は正規職員が自分たちのOBを支えるだけにとどまり、国保の社会的弱者は対象外。理念の異なる両方式の「いいとこ取り」は難しいうえ、税か保険料の大幅アップが避けられない。

 舛添氏は後期高齢者医療制度を再三称賛してきたが、福田康夫首相や町村信孝官房長官に相談せず、見直しを麻生氏に進言した。舛添氏の変心は、批判の矢面に立ちながら制度の浸透に苦心してきた与党議員や厚労省職員には「敵前逃亡」に映る。公明党の山口那津男政調会長は20日のテレビ番組で「いい制度と大臣が勧めるから、皆大臣を支えて国民に説明してきた」と不快感を示した。【吉田啓志】
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by deracine69 | 2008-09-21 08:00 | 政治  

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