政界下克上 小沢・古賀両氏、元秘書と対決 「倒すのは自分しかいない」

10月1日8時30分配信 産経新聞

 ■解散先送り論も

 米国に端を発した金融不安で30日、浮上した衆院解散、総選挙の先送り論。それでも候補者らに、政権を懸けた戦いをやめるつもりはない。なかでも、自民、民主双方が大物現職にかつての秘書をぶつけた“師弟対決”となる選挙区では「いつ決戦の火ぶたが切られてもいいように準備を進めるだけだ」と、格差の拡大や物価上昇など有権者の身近な関心事をよそに、ボルテージは上がる一方だった。

 「本音を言えば選挙まで少し時間があった方がいい。ただ、短期決戦は士気が上がりやすい。どちらにも対応できるよう、急ピッチで準備をするだけだ」

 「小沢王国」と呼ばれる岩手県。自民党の千葉伝(つとう)同県連幹事長はそう話す。

 自民党は、民主党の小沢一郎代表の選挙区である岩手4区で約20年にわたり小沢氏の秘書を務めた高橋嘉信氏(55)をぶつける。

 高橋氏は「小沢を一番よく知っているのは私」と公言し、「政局優先のあまり、国民不在の政治をつくり上げてしまった。倒すのは自分しかいない」。小沢氏には「国替え」説もくすぶっているが、高橋氏は「その覚悟があるとは思えない」と、真っ向勝負を挑む考えだ。

 高橋氏を応援する自民系県議は「かつての秘書は小沢氏もやりにくいはずで、いい候補だ」。それでも「解散時期の先延ばしは、自民にとっていいのか悪いのか、判断がつかない…」と不安げに話した。

 民主党も負けていない。自民党の総選挙の司令塔である党選対委員長、古賀誠氏(68)が出馬する福岡7区には、八女市長(9月30日付で辞職)で、やはり古賀氏の秘書を8年務めた野田国義氏(50)を立てる。

 野田氏には、古賀氏に仲人を務めてもらった恩義がある。それでも出馬するのは「私が市長選に出馬したころから古賀さんの方向性が違ってきたから」。一方の古賀氏は、「(野田氏は)身内同然の一人。寂しいというよりも、政治とはこんなに悲しいものかなあ」と漏らしたという。

 古賀派の八女市議も「野田氏は前回市長選でも大勝しており、勢いがある。いい勝負をするのではないか」と警戒する。一方、野田氏側は政治日程が流動化した場合、陣営に緩みが出ることを心配する。野田氏を応援する福岡県議は金融不安のニュースを横目にこう言った。

 「一日も早く解散してほしい。選挙の大幅先延ばしなんてとんでもない」

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 ■各地選管 右往左往

 秋に地方選挙がある各地の選挙管理委員会も、政治日程に注目してきた。ダブル選になれば選挙費用削減や投票率アップが期待できるためだが、選管の中にはなかなか決まらない総選挙のスケジュールにしびれを切らし、同日選をあきらめた自治体もある。

 「知事選の不在者投票を周知する書類を、投開票日の日付を入れずに配るなどしてきた。ダブル選挙を最後まで模索したんだが…」。こう話すのは10月19日に知事選が投開票される富山県選管。総選挙については、「10月21日公示、11月2日投開票」などとささやかれてきたが、事務作業面で知事選の日程変更のタイムリミットとしてきた9月29日になっても、総選挙の日程が決まらなかったため、断念した。

 「10月26日投開票」などともいわれてきたため、26日に知事選の投開票がある岡山県選管も、ダブル選挙の可能性をにらみ、衆院選の日付の部分だけを何パターンにも変えた同じ資料を作成するなどしてきたが、総選挙先送り論の浮上で「もう希望を言える立場ではない」(担当者)と達観の境地だ。

 投開票作業を担う市町村も計画が立たないため、人繰りに悩む。茨城・つくば市選管は、同県を会場に行われる「第23回国民文化祭」の最終日となる「11月9日投票」となれば、同祭にも職員を派遣しているため、投開票作業は数十人不足する可能性があるという。

 「管理職に出てきてもらうしかない。それでも足りなければ、前例がないが、人材派遣をお願いすることになるだろう」
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by deracine69 | 2008-10-01 08:30 | 政治  

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