比女性ビザ、倉田副大臣口利き 慈善名目、実はパブ勤務

2008年10月17日3時1分 朝日新聞

 チャリティーコンサートに出演すると称して興行ビザをとらずに来日したフィリピン人女性をフィリピンパブで働かせていたなどとして、静岡県警が今年9月に強制捜査したNPO法人側の短期査証申請に絡んで、総務副大臣の倉田雅年衆院議員(自民、比例東海ブロック)から入国管理行政にかかわる法務省と外務省に発給で便宜をはかるよう働きかけがあったと、両省の複数の関係者が朝日新聞社の取材に証言した。また、このNPOの事実上の運営者は倉田副大臣の元公設秘書で、元秘書も同様に両省に働きかけていたという。

 これに対し、倉田氏は「働きかけたことはない。(私の名前が)出ている理由はわからないが、元秘書らが名前を出したのだろう」と説明。元秘書は「支援者から倉田先生に話があり、先生から『調べてやれ』と言われ、自分が役所と相談しながら法に触れないような仕組みを作った。今回の事件は店舗が私の仕組みを守らなかったためだ」と話している。

 日本のフィリピンパブで働く女性をめぐっては、米国務省の「人身取引報告書」(04年)が日本を「要監視国」に指定するなど国際的に「人身売買の温床」との批判が高まった。これを受けて法務省は興行ビザの発給資格を厳格化。その結果、04年には年間8万件を超えていたフィリピン人への興行ビザが07年には5千件台まで急減していた。

 しかし、07年になって、「チャリティーコンサートへの出演」を名目に短期滞在ビザでフィリピン人女性が来日するケースが相次いだ。この手法について脱法行為の可能性があると判断した警察・入管当局が全国的に内偵を始める中で、今年9月、静岡県警が五つのパブにフィリピン人女性を派遣していた団体「未来チャリティー実行委員会」とNPO法人「MIRAI」(いずれも静岡市)の強制捜査に着手。双方の団体と関係の深い浜松市のフィリピンパブ「クラスメッツ」の経営者(47)らを風営法違反(無許可営業)や入管法違反(不法就労助長)容疑で逮捕するなど実態解明を進めている。

 これまでの調べなどによると、未来チャリティー実行委員会は07年春ごろから、06年に土砂災害で被害を受けたフィリピン・レイテ島への復興支援のチャリティーショーをするとして女性の短期ビザを多数申請。女性らはフィリピン大使館主催のコンサートに出演する一方、浜松市のパブなど5店舗に派遣されていたという。

 一方、関係者の証言によると、倉田氏はこの案件について「チャリティーの件をよろしく」などと外務当局や入管当局に複数回にわたって働きかけをしていたという。また、NPO法人関係者などによると、倉田氏の元公設秘書は、発足当時からこの団体に関与し、関係省庁からNPO法人への連絡先となっていたほか、ビザの発給の状況について関係省庁に頻繁に問い合わせをしていたとされる。

 倉田氏は弁護士で、00年の衆院選で初当選。現在3期目。自民党の法務部会長などをしていた。


ビザ申請問題 元秘書、倉田氏同席で説明変更
2008年10月17日15時1分 朝日新聞

 総務副大臣の倉田雅年衆院議員(69)=自民、比例東海ブロック=と元公設秘書(59)が、フィリピン人女性の来日に絡む入管法違反(不法就労助長)などの容疑で静岡県警に家宅捜索されたNPO法人側の査証申請をめぐり、法務省や外務省に発給で便宜をはかるよう働きかけたとされる問題で、元秘書が朝日新聞の取材に「(ビザ発給に関する)ファクスを倉田議員の事務所から外務省の担当課に送った」などと働きかけの一端を証言した。また、自らの働きかけについては否定している倉田氏も「元秘書が動いていたのは知っている」などと語った。

 元秘書は16日午後、約2時間にわたって単独で取材に応じた時には「(この案件は)支援者から倉田先生に話があり、先生から『調べてやれ』と言われ、自分が役所と相談しながら法に触れないような仕組みを作った」と倉田氏との関係なども説明。その際にファクスを倉田氏の事務所から外務省側に送った件についても語っていた。

 しかし、約1時間後、記者が倉田氏に取材したところ、呼ばれて同席させられた元秘書は「外務省へのファクス送信は自宅からが多かったと思う」などと説明を変えた。さらに倉田氏から「おれが何か指示をしたか」などと問われると指示を否定。

 この間、倉田氏はこの案件への自らの関与を否定。元秘書に謝罪を求めるなどした。

 元秘書によると、二人の関係は、10年以上前に倉田氏の選挙の応援で知り合い、5年前まで公設秘書。辞めた後も選挙支援は続け、前回の衆院選では「選対事務長」として報道対応をしていた。

 静岡県警の調べでは、浜松市のフィリピンパブ「クラスメッツ」などにフィリピン人女性を派遣していた団体「未来チャリティー実行委員会」とNPO法人「MIRAI」(いずれも静岡市)は、チャリティーコンサートに出演すると称して興行ビザをとらずに来日したフィリピン人女性を違法にパブに派遣していた疑いなどが持たれている。

 これに対し、NPOの事実上の運営者だったとされる元秘書は「今回の事件は店舗が私の仕組みを守らなかったためだ」などと話し、チャリティー名目で入国した女性たちが店舗に出ていたシステム自体は合法と主張している。

 しかし、県警などに対し、フィリピン人女性は「来日前に、帰国後に1カ月あたり6万円に加え、客からもらったチップの総額を、報酬としてもらう約束をしていた」などと供述。関係当局は、女性が取得していた短期ビザでは認められない「事実上の就労」と判断している模様だ。

 NPO法人側は、07年春ごろから、06年に土砂災害で被害を受けたフィリピン・レイテ島への復興支援のチャリティーショーをするとして女性の短期ビザを多数申請。外務当局と入管当局が警戒を強めていたという。関係者の証言によると、倉田氏はこの案件について「チャリティーの件をよろしく」などと当局に複数回にわたって働きかけたとされる。
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by deracine69 | 2008-10-17 03:01 | 政治  

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