タクシン元首相に禁固2年判決 身柄引き渡し焦点に

2008年10月21日21時34分 朝日新聞

 【バンコク=山本大輔】タイの最高裁判所は21日、国有地を不正取得したとして汚職防止法違反の罪に問われたタクシン元首相夫妻に対する判決公判を開き、元首相に禁固2年の実刑を言い渡した。元首相の不正を問う一連の裁判で初の有罪判決で、現政権を元首相の「操り人形」と批判する反政府勢力が勢いづくのは必至だ。

 反政府派が、英国にいる元首相の身柄引き渡しを求めるよう政府に迫るのも確実。首相府の占拠が続き、陸軍司令官も首相退陣を求めるなど混迷が続くタイ政局は一層、出口が見えなくなってきた。

 判決は、9人の判事のうち5人の多数意見。ポチャマン夫人については不正への関与を認めず、無罪とした。「法の正義が期待できない」として8月に英国に渡り、亡命を求めているとされる元首相夫妻は出廷しなかった。

 判決によると、タクシン氏は首相時代の03年に、夫人がバンコク中心部の国有地を競売で購入した際に関与し、政治家の国有財産取得を禁じた法律に違反した。タクシン氏は判決後、AP通信などに「これは政治的な判決だ。世界はこれを民主主義とは認めないだろう」と述べた。

 検察は一族の資産約760億バーツ(約2450億円)の没収を求める訴えも最高裁に起こしており、今回の判決は一連の裁判に影響を与える可能性がある。

 今回の有罪判決を踏まえ、8月から首相府の占拠を続けている反政府団体・民主主義市民連合(PAD)は、元首相の義弟であるソムチャイ首相への退陣圧力を強めるとみられる。政府が英国に対し、元首相の身柄引き渡しを求めなければ、ソムチャイ首相への風あたりが、さらに強まるのは間違いない。

 タクシン元首相や一族に対する一連の裁判は、06年9月の軍事クーデターで元首相が事実上の国外追放となった後に、軍主導の政権のもとで相次いで起こされた。

 昨年暮れの総選挙で元首相派の国民の力党が圧勝。元首相は1年5カ月ぶりに帰国したが、裁判所はこの間、元首相派に不利な判決を連発。元首相は危機感を抱き、出国を決意したとみられている。
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by deracine69 | 2008-10-21 21:34 | アジア・大洋州  

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