<愛知裏金問題>本庁調査なぜやらぬ 知事の指導力問われる

10月27日15時1分配信 毎日新聞

 愛知県の裏金問題で、県が03年度以降の5年間だけ、しかも地方機関のみを調査対象とすることに不満の声が上がっている。隣の岐阜、三重両県は同じ問題で全庁調査を実施。岐阜県は15年間分を調べた。過去には愛知県の全庁で裏金が作られていたとの証言がある中、問題の全容解明に向け、神田真秋知事の指導力が問われている。【秋山信一】

■本庁なぜ除く■

 愛知県は本庁を調査から外した理由を「本庁には出納事務局があり『預け』などの不正は起こりえない」と説明している。公金の管理と使用を同じ職員が担当する地方機関の仕組みが不正の温床になったというわけだ。

 これに対し、裏金が06年に発覚した岐阜県で全庁調査にあたった県幹部は「本庁も地方機関も同じ県の機関。職員の異動もあり、同じことをやっていると考えるのが自然だった」と話す。96年にカラ出張が発覚した三重県の当時の幹部は「悪い慣習を払しょくし、組織全体の体質を変える必要があった」と全庁調査を振り返る。

■過去の裏金は■

 愛知県は会計書類の保存期限(5年)を根拠に調査期間を決めた。だが岐阜県幹部は「全容解明のためには、できるところまでさかのぼらないといけない」と指摘する。

 岐阜県でも過去の会計書類は廃棄されていたが、全職員とOBを含む経理担当者延べ6900人を書面などで調査。92~06年度を対象として03年度までに約17億円の裏金が作られたと結論づけた。

 一方、三重県は職員の自主申告と書類を突き合わせ、カラ出張の疑いのあるケースを1件ずつ確認。94~96年度の裏金総額は11億6637万円に上った。

■立場の違い?■

 「今も裏金を作っているのが不思議。体質が古い」。愛知県での発覚に三重県の元幹部はあきれる。同県の北川正恭前知事は衆院議員から知事選に出馬して元副知事を破り「黒船来襲」と言われた。発覚時は就任2年目。元幹部は「改革を進めようという知事のリーダーシップで徹底的に調査した」と話す。

 同じ就任2年目だった岐阜県の古田肇知事も積極的だった。県幹部は「知事には『徹底的にうみを出さなければ問題が解決せず地下に潜る』との考えがあった」と言う。

 これに対し、神田知事は現在3期目でこれまで「裏金はない」と再三公言もし、立場は異なる。名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士は「調査の対象期間が短く、手口も業者への預け金に特化するなど問題をわい小化している。本来は人事権のある知事が調査の前面に出るべきで、決断力のなさを感じる」と批判する。
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by deracine69 | 2008-10-27 15:01 | 行政・公務員  

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