【麻生観インタビュー】米国の首相観、ドーク教授に聞く

2008.11.1 18:25  産経新聞

 【ワシントン=古森義久】麻生太郎政権が発足して1カ月余、米国の日本研究者の間でも麻生首相への認知が広がってきたのを機に、日本の思想史や政治史を専門とするジョージタウン大学のケビン・ドーク教授に麻生首相観を聞いた。ドーク教授は麻生首相に「ナショナリスト」のレッテルを張る米側の一部の傾向などについて見解を述べた。

 麻生首相をニューヨーク・タイムズ紙が社説で「好戦的なナショナリスト」と評したことに対しては、(1)日本の政治家が自己主張を明確にし、日本の国や国民への一体感を強く表明すると、すぐナショナリストと呼ぶ傾向が米国の一部にあるが、この場合のナショナリストという英語は偏狭で排他的、ひいては非民主的なイメージにつながり、対外的にも中国や韓国に敵対的だという示唆を含む(2)しかし麻生氏も小泉純一郎、安倍晋三両元首相と同様に、みな日本を主権国家として正常にしようと国内に向けて国家や国民の主体性を強調する思考であり、対外的には突出的、高圧的な意図はまったくみられない(3)こうした麻生首相の国内向けだけの主権発揮の思考は、麻生首相が今月発表した「強い日本を!」という論文でも明確だが、ニューヨーク・タイムズ紙の社説の筆者らは首相の著作を読んでいないようだ-などと語った。

 ドーク教授はさらに米側で批判的に使われるナショナリストという語に関連して、「麻生氏のこれまでの言動から判断して軍事ナショナリストでも、民族ナショナリストでもなく、あえて評せば市民社会・民主主義ナショナリストだろう」と述べ、日本が戦前は明治憲法により、戦後は占領政策によって国民の主権が完全に確立されない状態が続いたため、普通の主権国家と同様の政策をとろうとする指導者は、麻生氏も含めて国家主義的とみなされがちだと説明した。

 そのうえでドーク教授は、麻生氏が外部からナショナリストと断じられがちな側面は実は日本国内、日本国民向けの姿勢であり、その意味では麻生首相は「国民主義者」という呼称が適切だと述べた。

 ドーク教授は麻生首相の政治思想についてさらに、「官僚主義、派閥政治を排し、国民への直接のアピールを優先する民主主義の国民主義だといえる」として、前記の論文での「今こそ国民に信を問う」という記述などをその論拠としてあげた。

 ドーク教授はまた麻生首相が日本では珍しいカトリック信者であることを指摘し、「日本国民全体の0・5%しかいないカトリック教徒から首相が出ることは日本社会の自由でオープンな民主性を物語っている」と論評した。


【プロフィル】ケビン・ドーク

 1982年に米国クインシー大学を卒業後、シカゴ大学で日本研究により修士号、博士号を取得。2002年からジョージタウン大学東アジア言語文化学部の学部長、教授となる。日本の近代史を基礎に民主主義やナショナリズム、市民社会の研究を専門とする。著者に「日本浪漫派とナショナリズム」など。

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by deracine69 | 2008-11-01 18:25 | 政治  

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