高島易断名乗る幸運乃光 急造鑑定師競わせ荒稼ぎ

2008年11月16日 朝日新聞

 「高島易断総本部」や「高島易断崇鬼占相談本部」と名乗る宗教法人・幸運乃光に高額な祈祷料などを支払わせられる被害を受けたとして、6人が10月末、計1600万円余の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。3月には経済産業省が特定取引法違反で3カ月の業務停止を命じている。一体どんな団体なのか。(茂木克信)

 幸運乃光の大本山である成龍寺(千葉県袖ヶ浦市)を10月末に訪ねた。JR千葉駅から内房線で南に7駅行くと長浦駅。そこから東京湾沿いの工場群を眺めながら約20分歩くと、300を超す石塔が両脇に並ぶ坂道を上った丘の上に、本殿や客殿、庫裏、石製の五重塔などが並ぶ。敷地の総面積は約2万平方㍍に及ぶ。

 境内に人気はなく、1042区画の墓地はガラガラだった。本殿で「見習い中」という男性が1人で仏具を磨いていた。「朝、昼、夕の3回、祈祷社のために勤行しています」と話した。

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 登記簿によると、幸運乃光は1974年(昭和49)年の創立。成龍寺の敷地は91年、千葉地裁の競売開始決定を受けて差し押さえられている。

 経産省によると、幸運乃光は「高島易断の人生相談」という新聞チラシを配り、ホテルの一室などで約10日間、2千円で易鑑定をすると宣伝。訪れた人を「家族全員地獄に落ちる」「大本山に供養塔を建てて祈願すれば災いをはらえる」などと脅し、2~3年分の祈祷料やお札、教本代などとして最高で934万円を支払わせていたという。

 鑑定士は、新聞広告で集めた人に約3ヵ月の研修を施し、マニュアルを覚えさせていた。給料は歩合制で、どれだけ稼げるかを競わせた。邦人の06年度の売上高は8億6千万円に上る。こうして集めた金の一部が豪華な大本山に使われたとみられる。

 「高島易断」とは、明治時代の占師・高島呑象が始めた易学のことだ。商標登録が認められておらず、だれでも名乗れる。関連団体は100を超え、高島暦という運勢暦の本が色々出版されているが、各団体のつながりは薄い。

 幸運乃光では、94年に代表役員になった「高島成龍」と名乗る男性(49)が運勢暦の本を監修している。

 91年には代表取締役を務める株式会社「高島易断総本部発真会」が祈祷料収入の一部を隠したとして東京国税局に約2億円を追徴課税されたことが発覚。99年には出資法違反(高金利)の疑い、02年には偽計業務妨害の疑いで警視庁に逮捕されている。

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 80年代に鑑定師として所属していた都内の団体の会長は「うちでは破門した。易は人助けのためのもの。金もうけに使われ、迷惑している」と憤る。今回、訴訟を起こした「高島易断霊感商法被害弁護団」団長の山口広弁護士は「チラシやホテル代で数百万円かかる。2千円の鑑定料だけでは20人来ても4万円。初めから100万円以上支払わせるつもりなのは明らか」と話す。詐欺などの容疑で刑事告訴も検討しているという。

 幸運乃光は経産省から業務停止命令を受けた直後、10人以上いた鑑定師をやめさせ、今は目立った活動をしていない。宗教法人を所轄する文化庁宗務課は「解散命令請求を裁判所に出すことはできる」としつつ、「当の法人は易をやめたと聞いており、慎重に対応しないといけない」としばらく見守る構えだ。

 幸運乃光ほどではないが、被害弁護団には高島易断関連の相談電話が計250件寄せられ、被害総額は3億2千万円に上る。相談は、電話(03・3358・6179、月・水・金曜の午前10時~午後5時)で受け付けている。

 国民生活センターによると、スピリチュアルブームもあり、祈祷に関する相談件数は年々増えている。07年度は4年前の約1.8倍の2094件を数えた。祈祷サービスは07年7月に特定商取引法規制対象になり、8日以内ならクーリングオフができる。

Links: 【インチキ占】高島易断元会長逮捕。【自分の未来は占エマセーン】
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by deracine69 | 2008-11-16 06:00 | 社会  

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