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内部告発警官が二審も勝訴 「配転は違法」県に賠償命令

2008年9月30日21時13分 朝日新聞

 愛媛県警の不正経理を内部告発した直後に報復人事を受けたとして、巡査部長の仙波(せんば)敏郎さん(59)が県に100万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審で、高松高裁は30日、全額支払いを命じた一審・松山地裁判決を支持、県の控訴を棄却した。矢延(やのぶ)正平裁判長は「配置換えは嫌がらせ、見せしめのためと推認される」とし、再び違法と認定した。

 判決は、05年1月の鉄道警察隊から通信指令室への配置換えについて、内示が内部告発のわずか4日後で、同室に新たに企画係を設けたと指摘。「新設に緊急の必要性は認められず、定期異動を外れた時期に、新たな職務を意に反して経験させる意味があるか疑問だ」と述べ、必要性や合理性がないと判断した。

 仙波さんの勤務成績が下がり、勤勉手当が減額されたことについても「成績が良くないことの裏付けがなく、注意や処分をした形跡もない」と述べ、社会通念上著しく不合理で違法だとした。

 その一方、一審判決が認めた配置換え時の県警本部長の関与については「地域課長が自らの権限で実施したもので、本部長が配置換えを指示した証拠はない」と否定。また、一審は県警側が仙波さんが記者会見する前に面談して中止を求める妨害行為があったと認めていたが、この日の判決は「県警が面談を無理強いしたり、威圧を加えたりしたことはない」と述べた。

 そのうえで仙波さんが受けた精神的苦痛について、本部長の関与や会見の妨害行為がなかったことを踏まえても「慰謝料は100万円を下回らない」とした。不正経理の有無については一審と同じく言及しなかった。

 県は控訴審で、配置換えについて「会見後の騒然とした環境だと鉄道警察隊では職務遂行に支障が生じるおそれがある」などと主張していた。

 仙波さんは05年1月、記者会見を開き、「長年、幹部から偽の領収書を作るよう指示された」と内部告発し、県警の調査を強く求めた。

 告発後、県警や警察庁などは98~04年度分で計436万円の不適正会計を確認。当時の県警本部長を戒告にするなど123人を処分した。仙波さんは05年2月、配置換えの取り消しを申し立て、県人事委員会は06年6月に異動を取り消すと裁決。仙波さんは元の職場に復帰している。

 判決を受け、愛媛県の加戸守行知事は記者団に対し、「主張が認められなかったのは残念。上告は県警の検討結果を踏まえて対応したい」と話した。県警の梶原眞(まこと)・首席監察官は「一部主張が認められた部分もあるが、結果的に厳しい判決と受け止めている」との談話を出した。(上地兼太郎、中田絢子)
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by deracine69 | 2008-09-30 21:13 | 行政・公務員