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小沢の「隠し資産」暴いた「週刊現代」が全面勝訴

2008年7月1日6時0分 FACTAonline

新聞・テレビはほとんど報じなかったが、政界動乱の主役である民主党の小沢一郎代表にとって大きなダメージとなる判決が6月4日に下った。いわゆる小沢氏の不動産問題を取り上げた「週刊現代」の記事で名誉を毀損されたとして、小沢氏と民主党が講談社と著者の長谷川学氏らを訴えていた。その控訴審判決で、東京高裁(柳田幸三裁判長)が「記事は真実であり名誉毀損に当たらない」として1審の東京地裁判決を支持。小沢氏側の請求は棄却され、講談社側が勝訴したのだ。

週刊現代(06年6月3日号「小沢一郎の“隠し資産”を暴く」)は、小沢氏の政治資金管理団体「陸山会」が都内などにマンション10戸、6億円以上(その後、さらに買い増しして現在は10億円超)を所有していることを調査報道で明らかにし、その全てが小沢氏名義であることなどから、小沢氏の実質的な「隠し資産」ではないかと追及。この記事に小沢氏は「『絶対に許さん!』と激怒した」(民主党関係者)という。

その怒りの背景には、この問題が自らの致命傷になりかねないとの恐れがあったようだ。実際、記事が出てから約半年後、政治家の事務所費問題にからめて新聞・テレビが小沢氏の不動産問題を一斉に報道。国会でも大問題となり、小沢氏は弁明に追われた。そして昨年、政治資金規正法が改正され、政治資金管理団体が新たに不動産を所有することが禁じられた。追い込まれた小沢氏は「面倒だから不動産を処分する」と明言した。

「2年前、小沢氏はこの問題をマスコミに追及されてはたまらないと思ったはず。見せしめに週刊現代を告訴すれば牽制できる、と考えたとしても不思議ではない」(前出の関係者)

昨年1月に産経新聞がこの問題を新聞として初めて取り上げたとき、小沢氏周辺が「週刊誌を告訴したことを知らないのか?」と憮然としていたという話もある。

いまや「永田町の不動産屋」と揶揄されるようになった小沢氏は、控訴審で「不動産は陸山会のものだ」と主張したが、判決は「本件各マンションが陸山会のものであると断定することはできない」と切り捨てた。

小沢氏はいまだに約束した不動産の処分を実行していない。今後も小沢氏のアキレス腱になるだろう。
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by deracine69 | 2008-07-01 06:00 | 政治  

「東北で13議席取る」 小沢代表、仙台で懇談会

2008/06/04 09:58 河北新報

 民主党の小沢一郎代表は3日、仙台市を訪れ、早期の衆院解散・総選挙をにらんだ「全国行脚」の第2弾をスタートさせた。地域の高齢者らと懇談するパフォーマンスで後期高齢者医療制度を批判。記者会見では東北の25小選挙区のうち「最低でも13議席以上は取りたい。宮城は全勝させる」と攻めの姿勢を強調した。

 太白区の富沢市民センターを訪れた小沢氏は、高齢者ら約180人と懇談。新医療制度に会場からは「今まで税金を納めてきたのに、差別されているような思いだ」との怒りの声が出された。

 小沢氏は「国会の論戦でも民主党は制度に反対してきた。現在、参院で廃止法案を出しており、できれば今週中に成立させたい」と説明した。

 農業政策についても「農家に安心して生産に従事してもらうために、戸別の所得補償方式を提案したが、衆院で否決された。政権交代で社会の安全安心のセーフティーネットを実現させたい」とアピールした。

 政策懇談会では、連合宮城の楳原惣一郎会長が「年金改悪をはじめ、自公政権は国民を犠牲にした政治をしている。政治が変われば生活が変わる」と総選挙での連携強化を表明。小沢氏は「次の解散・総選挙は野党にとって最初で最後のチャンス。民主党はまだまだ基盤が弱く、連合に負うところが大きい」と協力を要請した。
 小沢氏は7月初めまでに山形、秋田など全国12県を訪問する予定。

◎選挙区、野党間の連携示唆

 民主党の小沢一郎代表は3日、仙台市内で記者会見し、早期の衆院解散・総選挙に追い込む考えを示し「(15日の)通常国会終了と同時に、全党挙げた完全な戦時体制に入りたい」と強調。「郡部ほど自民党政権に対する批判が非常に強い。都市部でも盛り上げていく」と述べた。

 民主党の候補予定者が決まっていない選挙区の対応については「与野党逆転には野党協力が大事な要素。自民党の議席を奪えるなら民主党候補にこだわらない」と言及。東北では青森4区、宮城6区などで国民新党や社民党と連携する可能性を示唆した。

 福田康夫首相に対する問責決議案の提出については「(野党が提出した)後期高齢者医療制度廃止法案に与党がどういう態度を取るのか。国民の訴えを無視してよいのか。その時の情勢で判断する」と述べた。

 自民党内でも議論がある消費税増税にも触れ「徹底した行政のリストラを先決しなければ国民の理解は得られない。無駄を排除すれば大きな財源が十分生まれる」と、増税に否定的な見方を示した。
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by deracine69 | 2008-06-04 09:58 | 政治  

小沢民主代表:次期衆院選で過半数…首相就任に異例の言及

毎日新聞 2008年5月27日 19時55分

 民主党の小沢一郎代表は27日の記者会見で、次期衆院選で同党が単独過半数を獲得した場合に「私が代表の間であれば、私自身が責任を負わなければならない」と述べ、自らが首相に就任する考えを示した。

 「次期衆院選で勝利して政権交代」をうたう小沢氏だが「自ら首相の座に就くことには関心が薄い」(周辺)というのが通説。本人が首相就任の可能性に言及するのは異例だ。【渡辺創】
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by deracine69 | 2008-05-27 19:55 | 政治  

「必ず9月から12月までに選挙ある」 民主・小沢代表

2008年05月20日19時37分 朝日新聞

 民主党の小沢代表は20日夜、東京都内で開かれた党所属衆院議員の会合であいさつし、「暑い夏に草取りをしっかりして、秋に実りがあるように、収穫があるように頑張って欲しい。必ず9月から12月までに選挙がある」と述べ、年内に解散総選挙があるとの見通しを示した。
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by deracine69 | 2008-05-20 19:37 | 政治  

小沢氏の国替え示唆、公明「引き締まる」 学会は静観

2008年05月17日06時29分 朝日新聞

 民主党の小沢代表が公明党の太田代表の東京12区への国替えを示唆したことに対し、同党が強気の姿勢に出ている。16日の記者会見で太田氏は「コメントする問題ではない」と受け流したが、中堅議員は「全国で民主党との対決色が強まり、かえって引き締まる」と強調している。

 東京12区は都内でも支持母体の創価学会の票が多い地域とされ、前回は太田氏が民主候補に約3万5千票差をつけて圧勝した。小沢氏との「代表対決」が実現すれば、投票率が上がり、苦戦を強いられる可能性も指摘されているが、別の中堅議員は「小沢氏であろうと、小選挙区は甘くはない」と話す。

 一方、創価学会の幹部は「選挙を知り尽くした小沢氏の狙いは揺さぶり」とみて、静観する構えだ。
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by deracine69 | 2008-05-17 06:29 | 政治  

医療・年金・道路問題 民主、世論に訴え

5月16日8時0分配信 産経新聞

 民主党が道路整備特別措置法の衆院再議決の際の福田康夫首相への問責決議案提出を見送り、国会の対決ムードが一段落したと指摘される中で、同党は15日、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)や宙に浮いた年金、道路問題をアピールする行動に乗り出した。

 小沢一郎代表は党本部で、年金記録紛失の被害を訴え、後期高齢者医療制度廃止を求める76歳の女性らと懇談した。小沢氏は「高齢者の生活を考慮に入れず、75歳以上は医療の対象外にするような話だ」と語り、後期高齢者医療制度廃止の必要性を強調した。

 一方、その小沢氏(岩手4区)が次期衆院選で、太田昭宏公明党代表の地元東京12区から出馬すると取りざたされていることが改めて波紋を呼び、自民党東京都連会長の石原伸晃前政調会長は15日、「小選挙区は地縁、血縁が重要になる。その点を打ち破ろうというのなら大いに歓迎する」と述べた。

 民主党の菅直人代表代行は同日の会見で「小沢氏は次の総選挙こそ政権交代実現にとって最大の戦いだとの位置付けで、いろいろなことを考えているのかもしれない。国民から『思い切った行動だな』と理解されるのではないか」と述べた。
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by deracine69 | 2008-05-16 08:00 | 政治  

平沼氏との連携に前向き=民主・鳩山氏

5月12日13時1分配信 時事通信

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は12日午前、無所属の平沼赳夫元経済産業相が次期衆院選前の新党結成に意欲を示していることについて「平沼氏は自民党にひどい仕打ちをされ、愛想を尽かしていると思う。新たな動きをされるときは、日本の政治を大きく塗り替える方向で極力、協力を願いたい」と述べ、連携に前向きな考えを示した。都内で記者団に語った。
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by deracine69 | 2008-05-12 13:01 | 政治  

小沢氏「自公はダッチロール状態」

5月12日11時41分配信 産経新聞

 民主党の小沢一郎代表は12日午前、党本部で開かれた党女性議員ネットワーク会議の研修会であいさつし、「自公政権は本当に混迷というか、ダッチロール状態に入っている」と指摘。その上で「衆院選は間違いなく今年中に実施されると思う。自公政権がダッチロールの末に墜落するのは構わないが、日本も一緒に墜落したら困る。衆院選で勝つことが民主党の使命であり責任だ」と述べた。
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by deracine69 | 2008-05-12 11:41 | 政治  

小沢民主党 問責決議先送りの深謀遠慮と誤算

5月11日10時0分配信 日刊ゲンダイ

 民主党はなぜ福田首相の問責決議をためらっているのか。自公が2度目の衆院再可決を強行する来週13日も、問責提出はパスだという。そのウラにあるのは、小沢代表の「福田首相で解散」の期待だというのだが……。

 小沢代表は、13日の問責提出を見送る代わりに、「後期高齢者医療制度」の廃止法案を今国会に提出するよう、執行部に命じた。この廃止法案を今月中に参院で可決させて衆院に送り、自公が審議に入らない場合、そこで問責決議を提出する戦術だ。

「国民の怒りは、ガソリン再値上げよりも老人いじめ医療の方が強い」という判断だが、自公サイドはそんな野党の出方を織り込み済みだ。

「たぶん6月初旬に民主党は参院で問責を可決させるだろうが、6月15日が会期末。何日か無視して国会を閉じちゃえばいい。それに、こちらはすかさず衆院で首相の信任決議を可決するから、総辞職や解散という話にはならない」(与党幹部)

 そして福田首相は7月7日からの洞爺湖サミット、8月8日の北京五輪開会式出席を淡々とこなしていく予定だ。

 一体、小沢代表はどうするつもりか。

「小沢代表はすでに秋に照準を合わせている。解散権を自公が握っている以上、今からシャニムニやっても仕方ない。攻めきれずに力尽きると、逆に9月の自分の代表選再選が危なくなる。だから再選を確実にしてから、一気に福田首相を追い詰める作戦です」(政界事情通)

 民主党が望むのは、人気のない福田首相で解散・総選挙をさせること。そのため、福田首相に7月のサミット後に内閣改造をやらせる。そうやって、簡単に総辞職できない状況にさせ、生かさず殺さずヨレヨレの福田首相を延命させる。

「しかし、秋になると与党内では、確実に解散風が吹き始める。まず公明党が来年は都議選の年なので、今年中に解散して欲しいと言い出す。自民党内でも、来年は消費税率引き上げを決める年なので、今年中に解散という声が高まる。となると、福田首相を引きずり降ろし、麻生前幹事長に交代の動きが始まるが、そうなると頑固な福田首相は、改造をしたばかりなのにどうして交代なのか、一般財源化の公約も果たしたいと、ムキになって解散に踏み切るのではないか。いわば、福田首相の勘違い解散に小沢代表は期待しているのです」(前出の事情通)

 10月解散、投票日は投票率が落ちる3連休の中日の11月2日と11月23日が有力だ。しかし、半年も先の政局を期待して、うまくいったためしはないのが政界でもある。
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by deracine69 | 2008-05-11 10:00 | 政治  

“政変前夜”小泉・小池コンビの野望

2008年5月10日 文藝春秋

ポスト福田争いは麻生、与謝野を小池が猛追。対する小沢の奇策とは?

「四月危機のあとに、五月危機がある」。そして、そのあとにくるものは……。

 永田町には、今や“政変前夜”ともいえる空気が漂っている。いずれ福田政権が立ちゆかなくなる、というのは自民党内でも共通の認識となり、対する民主党も、代表・小沢一郎はもはやカリスマ党首とはほど遠い存在で、九月の代表選に向け、ポスト小沢をにらんだ動きが見え隠れしている。両党首がいずれも求心力を失い、裸の王様に近い存在と誰もが感じ取っている。衆議院の解散・総選挙によって、早く白黒をつけるべきことは明白なのだが、首相・福田康夫が、最後の砦、自民党政権を手放すことになるかもしれない、との一点だけで、容易に踏み切れないのが実情だ。“平成の徳川慶喜”として、後世に不名誉な名を刻むことになるかもしれない恐怖心が福田に重くのしかかっているのだ。

 こうした不穏な空気が充満している永田町において、誰よりもその活発な動きが目につくのが、「三度のメシより政局が好き」な元首相・小泉純一郎である。官邸を去って、一年半余り。これまではオペラや歌舞伎三昧の日々を送り、政治的な発言は極力避けてきた。それでも今も選挙の応援要請は引きも切らず、自民党内でも「現職首相の応援はいらないが、コイズミの応援はほしい」と公然と語られている。

 小泉を駆り立てるものは何か。それは、「政界再編」の一語につきる。この言葉を聞くと、血が騒ぐのだ。

 四月九日夜の東京・「有栖川清水」。日本経団連前会長・奥田碩(トヨタ自動車相談役)と小泉がよびかけた自民・民主・財界人の会合が開かれた。自民からは、元防衛相・小池百合子、元沖縄北方担当相・茂木敏充、民主からは、前代表・前原誠司、元幹事長代理・玄葉光一郎、元政調会長・仙谷由人が出席。財界からも楽天社長・三木谷浩史らが顔を揃えた。

 奥田が「日本を背負っていく次代の方々と様々な問題について論議を深めたい」と口火を切ると、小泉も「ここには二人の総理候補がいる。今後いろんな動きが出てくるかもしれない」と続ける。それを受けて前原も「自民党政治がいつまでも続くわけではない。自民党が割れての再編なら、可能性として現実味が増す」と踏み込んだ。前原が代表時代に小泉が「一緒にやろう」と、“大連立”をもちかけたことは、政界では知る人ぞ知る事実だ。自民党との全面対決路線をひた走る民主党“主戦派”からは、「安易に小泉に利用されすぎる」と、会合の後、前原には厳しい批判も飛んだ。

 翌十日には、小泉行きつけの東京・四谷の「りゅう庵」で、盟友・山崎拓、民主党・岩国哲人、喜納昌吉らと杯を交わした。上機嫌の小泉は、「権力闘争を理解しているのは、私と小沢さんだけじゃないか」、「おれがなんとか風といったら、解散風といわれたが、私が言ったのは“変革の風”のことだ」と酔いにまかせて子供を諭すようにまくしたてた。

 小泉が最も神経をとがらせているのは、麻生太郎=平沼赳夫の連携による新保守勢力が台頭することだ。小泉は、ポスト安倍の総裁選で「自民党をぶっ壊すという人(小泉)がいたから、今度は立て直すことをしなければならない」とぶちあげた麻生を許そうとしない。片や、平沼は、いまだに郵政民営化反対の急先鋒であり、復党せずに新党結成も視野に入れる無所属のリーダー的存在だ。ふたりは、小泉にとって“最大の抵抗勢力”と映っているのだ。(関連

ポスト福田争いが本格化

「小泉さんが再び首相の座につくことは百二十%ない」と、小泉の偉大なるイエスマンを自認してきた元幹事長・武部勤は同僚議員にこう持論を繰り返している。しかし首相の座でなく、「政界再編の軸」となると話は別だ。いまもカリスマ性を維持し、民主党内からも「小泉となら一緒にやるメリットがある。改革路線を復活するという大義があり、選挙区の支援者の理解も得やすい」とラブコールを送られるほどだ。

「自民党をぶっ壊した」小泉が目指す次のターゲットは“既存の政界秩序”である。小泉にとってねじれ国会というピンチは、これまでの秩序を破壊し、新たな政界の枠組みを再構築する絶好のチャンスなのだ。小泉は言う。「何でも政局と結びつけて言われるが、要は変化についていけない政治家や政党は消え去るのみだ」。

 その小泉が周囲が嫉妬するほど可愛がっているのが小池である。四月九日の宴席に呼んだことも波紋を呼んだ。三月二十三日には、所属する町村派の大幹部である元幹事長・中川秀直と共に中国を訪問し、外交を取り仕切る国務委員・戴秉国、「革命第五世代」のエースとされる共産党組織部長・李源潮らと会談して、存在感を示した。中川が「小池さんはニューリーダーのひとり」と紹介すると、李源潮は「小池さんは中国では有名なリーダーです。さらにビックリしたのは、こんなに優雅な女性が立派に防衛大臣をつとめられたことです」と賛辞を惜しまなかった。防衛相在任中、防衛省のドンだった前事務次官・守屋武昌と対立し、ケンカ両成敗となったが、その後「小池には先見性があった」と評価を上げたことを北京もキャッチしていた。小池は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

 四月一日には、「京都議定書目標達成議員連盟(略称・もくたつ議連)」の幹事長におさまった。名誉顧問は、小泉である。町村派は、森喜朗・小泉・安倍晋三・福田と四代続けて総理・総裁を独占している。五代連続は虫が良すぎるのでは、との党内のやっかみも強いのだが、小泉がお墨付きを与えるのであれば、話は違ってくる。何より小池には華があり、小泉とのコンビなら、十分に選挙の顔になるというわけだ。

 ポスト福田として名前があがることに、小池も嬉しさを隠しきれない。これまで顔を見せることがなかった町村派の幹部会には必ず出席しているし、四月二十二日夜の講演では、民主党の前原、枝野幸男ら旧日本新党出身者の名前をあげて、「ごっちゃり私どもの仲間がいる。ねじれ国会のなかで、政局のみではなくて国家の最優先は何なのか、共有し合っているので、大人の対応ができるような、舞台回し役ができればいい」と政権獲りへの意欲をにじませた。

 ただ町村派が一致して小池を推す展開になるかというと、そう単純ではない。派内からは、万が一、政権が行き詰まっての総選挙までの“つなぎ”なら、福田が一定の信頼を寄せ、かつ公明党とのパイプも太い「与謝野馨首相」で、という声も強い。派閥のオーナー的立場の元首相・森も、「小池首相」には否定的といわれる。ある自民党幹部は「冗談でしょ。そこまで自民党はおちぶれていない」と一笑にふす。ただし絶頂期の田中真紀子を念頭に「総選挙だけを考えて、政権維持が目的なら、この際、目をつむってやるしかない」との声は、閣内からさえも聞こえてくるのだ。

 ポスト福田の本命と目される麻生も、闘志を燃やし続ける。相変わらず地方遊説に引っ張りだこで、衆院山口二区補選の応援にも二度入った。一方、合流を決めた古賀・谷垣両派の宏池会とは一線を画す。四月十一日夜には、東京・港区の東京プリンスホテルで麻生派のパーティーを開き、昨年の三倍のスペースに二千人以上を集めた。終始上機嫌の麻生は「今後も精進して、再び挑戦して参りたいと決意を新たにしている」と演壇から、高らかに宣言した。

 麻生が最も心を許しているのは、町村派の相談役におさまった前首相・安倍だ。二人は頻繁に連絡を取り合う。安倍の側にも政権投げ出しで麻生に迷惑をかけたとの思いが強い。四月五日には、安倍の地元、山口・下関に麻生が入り、緊密ぶりをアピールした。さらに“天敵”といわれた選対委員長・古賀誠とは、選対副委員長・菅義偉らが間に入って、和解への準備を整えた。安倍政権末期、幹事長・官房長官としてコンビを組んだ与謝野からも「ずっと力を蓄えておきさえすれば、チャンスはやってくる」と励まされ、意を強くした。麻生には本命視されながら、一夜にして八派連合による包囲網を形成され、首相の座を福田にさらわれた前回総裁選のトラウマがある。ギラギラとした焦りは禁物だと自戒し、福田を追いつめるような言動も控えて、出陣のときを待つ。

小沢の仰天シナリオ

 もう一人、永田町でそのはしゃぎぶりが注目を集めているのが、元幹事長・加藤紘一である。「加藤の乱」から八年近くが経ち、現在六十八歳。政界の主役級の座を降りて久しい。それが最近、周囲も驚くほど意気軒昂だという。二月に同世代の李明博の韓国大統領就任に際し、盟友の山崎拓と超党派の訪韓団を組織して、ソウル市内で李と会談、存在感を示した。帰国後も、反省会と称して、民主党・仙谷らと会合をもった。これを拡大して四月一日には、超党派の勉強会「ラーの会」を結成、当初の十六人から六十七人に膨れあがり、加藤はその熱気に久々の手応えを感じ取った。

「日米だけでなく、中国・韓国などアジアとの関係が重要だ」と控えめながら、やや紅潮した顔つきに加藤の復権への意欲を感じ取った者も少なくない。勉強会は政界再編への布石か、と囁かれ始めている。

 これまで“評論家”と揶揄されることの多かった加藤だが、ここにきて表向きの発言は不気味なほどおとなしい。加藤と親しい議員は、その理由をこう耳打ちする。

「小沢が、首班として加藤擁立も選択肢として、あたためている」。そこには「民主党批判もほどほどにしておけ」というメッセージも込められている。これを境に、加藤は民主党や小沢への厳しい批判を控え、沈黙することが多くなったのだ。「日銀総裁だって、民主党の意向をくんだ人事案を出さなければならないのは分かり切ったことだ」、「ねじれ国会では、それを乗りこえるだけの知恵を出す必要がある」。奇妙なまでの物分かりのよさは、オブラートに包んだ小沢へのエールにも聞こえる。

 加藤の真の狙いは「自民党内の争いは、“新保守vsリベラル”が軸だが、新保守では議会の多数派を形成できない。だから必ず“自民党リベラル・公明+民主党”という枠組への流れができてくる。そのときの大将は自分だ」という訳だ。

 しかし、こうした状況は、逆に言えば、小沢の苦境を物語っている。かつてブレない政治家と称された小沢がブレにブレている。そしてそれが福田の判断の誤りを誘発し、結果として責任は自らにはね返ってきている。四月九日党首討論での「誰と話をすればよいのか教えてほしい」との叫びは福田からの決別宣言だった。それまで福田は小沢へのあからさまな批判は避け、細やかな気遣いを欠かすことはなかった。政権発足後、半年間、ひたすら「低姿勢」で我慢を続けてきたのは、いつか小沢が、幻に終わった大連立構想の借りを返してくれるに違いない、との期待があったからだ。

 それが完全に切れたのは、日本銀行総裁人事をめぐってのことだ。総裁に元財務省事務次官・武藤敏郎を起用することに、小沢は内々、承諾の意志を伝えていた。福田とも親しい元大蔵事務次官・齋藤次郎も積極的に後押しをしていた。

 しかし、二月二十九日に与党が、予算案を民主党など野党三党が欠席のまま、強行採決した時点から、小沢は柔軟路線では、党内を抑えきれなくなった。

 代表代行・菅直人、国対委員長・山岡賢次ら執行部は、「議長あっせんは反故にされた」と口をそろえ、「日銀総裁への財務省天下り反対」、「ガソリン値下げ実現」に大きくカジをきった。小沢はそうした声に、口を挟めない状況になってしまった。小沢のツルの一声が、党の方向性を決めるというのは、今ではもう昔話なのだ。小沢は自分の求心力を維持するために「もはや御輿の上にのっただけの存在にすぎない」(民主党幹部)のである。

 小沢は表向き「遅くとも年内には総選挙がある」との見方を繰り返している。しかし本音では、政権獲りの勝負は、九月の民主党代表選挙前でなくてはならないと考えている。求心力の衰えから、代表選挙で、小沢が無投票で再選される可能性はゼロといってよい。必ず反小沢陣営の中から候補者が出て、一波乱起こる、というのが民主党内の一致した見方だ。党内では地方行脚に徹して、民主党支持者の意見に熱心に耳を傾け続ける元代表・岡田克也らの動向に注目が集まる。

 そこから導き出される小沢の政権奪取戦略こそが“加藤擁立”なのだ。側近が明かす。「福田政権をいくら追い込んでも、政権を失う可能性が高い解散・総選挙を、福田があえて決断する可能性は低い。それなら内閣総辞職に追い込み、福田に代わる首班指名で自民党に手を突っ込む」。サミットを花道に福田が退陣し、自民党が後継に麻生をもってくるなら、小沢は、総裁選に名乗りを上げられない加藤を担ぐ。加藤がハラを括りさえすれば、有力なカードになる、と目論んでいるのだ。

 自民党の対極に身を置きながら、自民党に手を突っ込んで、分裂を誘い、政権奪取を狙うのは、小沢の常套手段である。九四年四月、細川護熙内閣退陣の際に、元政調会長・渡辺美智雄に対して、「自民党から五十人連れてきてくれれば、首相候補だ」と、自民党離党を促したことがある。しかしこのときの同調者は十人に満たず、計画は頓挫した。これに懲りずに二カ月後、羽田孜内閣が総辞職した後にも動いた。自民党がそれまで水と油だった社会党の村山富市を首相候補に担ぎ上げると、対立候補として元首相・海部俊樹を擁立、自民党からの造反を誘った。だが、これも失敗に終わっている。

 最後に天下を制するのは誰か――。初夏の訪れとともに、早くも身を焦がすような権力闘争が過熱している。(文中敬称略)
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by deracine69 | 2008-05-10 23:59 | 政治