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コンゴ 「アフリカ大戦」再燃に目を

2008年11月14日 朝日新聞 私の視点
国際協力機構客員専門員(平和構築) 米川正子

 泥沼の内戦が続くアフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)。過去10年に戦闘や病気、飢餓などで犠牲になった人は約540万人とも言われ、第2次世界大戦以降、最悪の数字だ。

 ルワンダ、ウガンダ、アンゴラなどの近隣国のほか、リビアや南アフリカなど17カ国以上の国が、紛争当事者を直接、間接に支援し、「アフリカ大戦」と呼ばれた時期もある。最近、戦火が再び激化し、月に4万5千人が命を落としている。

 私は戦闘地域である東部の拠点都市ゴマで、今年7月までの約1年半、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地事務所長を務めた。国内避難民85万人、ルワンダ難民1万人の保護と支援が任務だった。

 だが、現地には小型武器が大量流入し、あちこちで戦闘が起きていた。国内避難民が住むキャンプの安全確保は困難を極めた。

 ゴマから離れた町の刑務所で15歳くらいの少年に会った。「牛の世話をしたら100㌦あげる」とだまされて反政府勢力に取り込まれ、少年兵にされたという。逃げ出して山中をさまよった末、コンゴ当局に逮捕されたのだ。内戦から逃げ回って学校に行く機会もなかったため、自分の出身地すらわからない。読み書きもできなかった。

 難民キャンプで育ち、仕事がなくて反政府勢力の勧誘に乗る若者も多い。女の子はキャンプから薪拾いに行ってレイプや誘拐の被害者になる。「女性や少女にとって世界で最悪の場」(国際刑事裁判所)である。

 一般住民をおきざりにしているのは、政府軍も反政府勢力も同様だ。双方に人権保護と難民、避難民の安全な帰還に協力するよう呼びかけたが、相互の不信感は埋めがたかった。国連平和維持部隊にも十分な強制力がなく、成果はなかなか上がらない。

 紛争の背景には、この国に豊富な天然資源を巡る国内勢力の対立がある。金やダイヤモンド、天然ガス、石油などがあり、かつては日本の企業や商社もかなり入っていた。携帯電話、ノートパソコン、ゲーム機などに欠かせない希少金属タンタルを含む鉱石コルタンは、世界の埋蔵量の8割がこの地域にあると言われる。資源を不法に安く確保するには、紛争状態の方が好都合と考える周辺国や先進国企業が、少なくない。そこに、民族対立や、外国勢力の介入が複雑に絡み合っている。

 この紛争は私たちの生活と無縁ではない。「人間の安全保障」を外交の基軸にする日本政府なら、対話や調停を通じた政治的解決をしてほしい。また、コンゴ人が平和な社会を取り戻せるよう、人材育成に力点を置いた支援に取り組めないだろうか。たとえば、「柔道」を通して相手を敵視せずに尊敬を持って接することを教える、といった日本ならではなの支援の形もあるのではないか。
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by deracine69 | 2008-11-14 06:00 | アフリカ  

「原油安の時代は終わり」=30年に200ドル突破へ-IEA事務局長

2008/11/12-23:55 時事通信

 【ロンドン12日時事】国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長は12日、「世界エネルギー見通し」の発表に際し当地で記者会見し、中長期的には需給逼迫(ひっぱく)により再び原油価格が高騰するとの見方を示した上で、「安定的で持続可能なエネルギー確保の目標を維持することが必要だ。原油が安い時代は終わった」と述べ、石油関連施設への投資拡大の必要性を訴えた。

 IEAは見通しで、油田の老朽化などにより生産コストが増し、2030年の原油価格が1バレル=200ドルを突破すると予想。また、中国やインドを中心とする需要拡大に見合う供給を維持するためには、30年までに26兆ドル(約2530兆円)を投資する必要があると指摘した。

 田中事務局長は邦人記者団に対し、「(200ドル突破のシナリオは)もし必要な措置が十分に取られなかった場合にそうなるという警告でもある。90年代に投資しなかったために今年の夏のような(相場が)ひどいことになったことを教訓に、投資を進めることが最も重要だ」と指摘した。
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by deracine69 | 2008-11-12 23:55 | 経済・企業  

<EU>エネルギー資源輸入「脱露」加速

9月22日18時53分配信 毎日新聞

 【ブリュッセル福島良典】グルジア紛争をきっかけとしたロシアとの関係冷却化を受け、欧州連合(EU)がエネルギー資源輸入の対露依存からの脱却を目指す動きを加速している。EUは最近、アフリカの資源大国・ナイジェリアの天然ガス・パイプライン計画への資金協力を決める一方、カスピ海の原油・ガスを抱える中央アジア諸国との関係強化を急いでいる。

 EUはエネルギー供給源・輸送路を多様化する戦略の柱として、ロシアを通さずに中央アジアなどのガスを欧州に運ぶ「ナブッコ・ガスパイプライン」(3300キロ)計画を推進している。だが、グルジア紛争で中継地にあたるカフカス地域の情勢が不安定化したため、「保険」の意味も込めて重視し始めたガス供給源がナイジェリアだ。

 EUの行政府・欧州委員会のピエバルグス委員(エネルギー担当)、ミシェル委員(開発・人道援助担当)は今月上旬、ナイジェリアを訪問。天然ガスをアルジェリア経由で地中海に運ぶ「トランス・サハラ・ガスパイプライン」(4300キロ)計画への資金調達面での支援を申し出た。完成すれば年間200億立方メートルのガスを欧州市場向けに輸送できる見込みだ。

 ロシアの政府系天然ガス独占企業「ガスプロム」はナイジェリア国営石油会社との間で今月初めにガス田開発での協力覚書に署名したばかり。埋蔵量世界7位のナイジェリアの天然ガスをめぐり、ロシアとEUの争奪戦が表面化した格好だ。

 だが、ナイジェリアでは武装勢力が19日、英・オランダ系国際石油資本ロイヤル・ダッチ・シェルのパイプラインを破壊したと発表するなど、エネルギー関連施設への襲撃が相次いでいる。トランス・サハラ・パイプラインが通過する予定のニジェール、アルジェリアも治安情勢に不安を抱える。

 このため欧州委員会の高官は10年着工、13年稼働開始を目指すナブッコについて「予定を前倒しする可能性を検討している」と明かす。EUは16日、カザフスタンとエネルギー分野での協力強化を決め、EU議長国フランスのジュイエ欧州問題担当相は「カザフが進めるカスピ海ルート(カスピ海横断パイプライン)とナブッコが連結される可能性がある」と期待を表明した。
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by deracine69 | 2008-09-22 18:53 | ヨーロッパ  

オホーツク海、露が大陸棚領有を主張 国連に調査報告申請へ

9月14日19時21分配信 産経新聞

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアが200カイリの排他的経済水域(EEZ)を超えるオホーツク海中央部について、その海底が自国の大陸棚であると主張する調査報告書を作成し、年内にも国連に提出する方針を固めた。複数の調査関係者が明らかにした。露天然資源省も国連申請を準備していることを確認する一方、「日本との国境問題に抵触しない」と説明している。北極海などで国際社会の資源獲得競争が激しさを増す中、北方領土周辺の大陸棚にもロシアが関心を向けるのは時間の問題といえる。

 関係者によると、ロシアはすでに地震波の利用や海底泥土の採掘といった方法でオホーツク海の大規模調査を終了。その結果、オホーツク海中央部の地質は極東のオホーツク-チュコト火山帯と同様の構造で、ロシア極東沿岸からオホーツク海南部に至るまで深淵(しんえん)が存在しないことが分かった。関係者は「地質・地形の両面から見て、オホーツク海底が大陸からの自然な延長であるという説得力のある調査結果が得られた」としている。

 国連海洋法条約によると、EEZを超えていても、海底が陸地からの延長である「大陸棚」と認められれば、沿岸国に地下資源など海底の開発権が認められる。ロシアは2001年にもオホーツク海の大陸棚領有を国連大陸棚限界委員会(CLCS)に申請したものの、北部については調査データの不備を理由に却下され、南部については日本と調整するよう勧告された。今回、ロシアの新たな調査報告が認められれば、オホーツク海中央部の約5万6400平方キロがロシアの“海底領土”になる。

 この海域にどれだけの石油・天然ガスが埋蔵されているかは不明。ただ、オホーツク海西部のサハリン(樺太)沖大陸棚には豊富な地下資源が埋蔵されているといわれ、日本企業も参加して大規模な開発が行われている。

 一方、今回は申請が見送られるものの、オホーツク海南部に位置する日本の北方領土や千島列島周辺海域にも石油・天然ガスの大規模鉱床が存在する可能性が指摘されている。

 インタファクス通信によると、研究者グループは千島列島中部の周辺に12億-16億トン、国後島と色丹島の間の深淵に5600万-6000万トンの化石燃料があると推定。ロシアではソ連時代に行われていたこれら海域の調査を再開すべきとの意見も出始めている。
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by deracine69 | 2008-09-14 19:21 | ヨーロッパ  

中国最大の銅鉱山操業へ チベット自治区

2008年08月17日 09:47 USFL.COM

 14日の新華社電によると、中国チベット自治区当局者は、自治区東部のチャムド地区で開発してきた玉竜銅鉱山が9月末に操業を始めることを明らかにした。銅の埋蔵量は650万~1000万トンとみられ、新華社は中国で最大、アジアでも第2の規模としている。

 計画によると、今年は1800~2000トンの銅を生産。第1期プロジェクトが完成する2010年には年間3万トンを生産する予定で、将来は年産量を10万トンに引き上げる。(共同)
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by deracine69 | 2008-08-17 09:47 | アジア・大洋州  

ニッケル争奪戦と“天国にいちばん近い島”ニューカレドニアの悲劇

2008年5月27日 NBonline 谷口 正次

 ニューカレドニアは南太平洋に浮かぶ島。日本人観光客の人気リゾートである。その東側に位置するウベアという島を舞台にした『天国にいちばん近い島』という小説(森村桂、1966年、角川書店)がベストセラーになり映画化もされてすっかり有名になった。

 このニューカレドニアの本島は細長い島で、その形が鯨に似ているので先住民たちの間には先祖が鯨であったという伝説が残っている。フランスの統治国でメラネシア系の先住民が約40%を占める。島を取り囲む珊瑚礁は、オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ世界第2位の海洋生態系に恵まれていると言われていた。

 ところが、このニューカレドニアには豊富なニッケル鉱が産するため、150年前からフランスの植民地の主要産業としてニッケルの採掘が続けられ、現在までずっと世界に輸出されてきた。

 その結果、陸地と周辺の珊瑚礁の生物多様性とその生態系は、ニッケル採掘の影響で大きなダメージを受けている。今でも全島19カ所にわたって鉱山が分布する。

 日本は、2000年までニッケル鉱石の約50%をニューカレドニアから輸入していたが、フランスからの独立志向が強い先住民労働者のストライキの頻発などから、出荷の安定性を欠き、2001年以降25%以下に急減してその分インドネシアに振り替わり、インドネシア産が50%を占めるに至った。

 しかし、中国の高度経済成長に伴ってステンレスやバッテリーに使われるニッケル需要が大幅に伸びたため、もともと世界第4位の埋蔵量と生産量をほこるニューカレドニアのこと、生産量では世界第2位のカナダの資源メジャー、インコが2004年から南部で世界最大規模のニッケル鉱山開発を始めた。年間500万トンの鉱石を採掘し、湿式精錬という方法で6万トンの酸化ニッケルと4000トンの炭酸コバルトを抽出する計画である。

 開発はこれまで、数少ない自然破壊を免れてきた地域で行われている。ニッケル鉱石は、もとの岩石が地質学的長年月をかけてラテライトとよばれる赤土状に風化した表層下部に濃縮しているため、地表から20メートル程度の部分を頭の皮を剥ぐようにして採掘が行われる。

 その結果、広範にわたる地表の自然破壊だけでなく雨が降ると赤泥が川を通じて海に流れ出し、海洋生態系を破壊するわけだ。インコが開発を行っている地域は特に豊かな原生林に覆われ、90%以上と言われる固有種の植物や花の特別保護区が設定されているばかりか、鉱山の廃水を海底から放流するパイプの放出口近くにはラグーンと呼ばれる海洋生態系特別保護区が設定されている。

 この鉱山開発に今も反対運動を続けている地域の先住民のリーダー、ラファエル・マプー氏は、「太古の祖先から受け継いできた豊かな森林とラグーンをこのように破壊されるくらいなら死んだ方がましだ」と訴えている。

 反対派の先住民組織はリブ・ヌー(Rheebu Nuu)と名乗り、“先祖の眼”という意味である。それは、鉱山開発が行われているゴロー地区が、伝説で鯨だった先祖の眼に相当するところに位置することから名付けられた。強い反対運動によって開発工事は大幅に遅延しているが、本年度中には生産開始見込みとなっている。

 リブ・ヌーは、2006年4月初めに暴動を起こして、重機械類を破壊し工事は約1カ月ストップした。そのためフランス本国から派遣された軍隊が工事現場に常駐している。彼らはニューカレドニア行政裁判所に工事中止を訴え、その結果2006年6月操業ライセンスが取り消されたが、不思議なことに建設ライセンスが残っているという理由で工事は続行された。

 そこで今度はフランスのパリの大審裁判所(Tribunal de Grande Instance de Paris)に訴え、2006年11月21日、精錬によって発生するテーリングとよばれる廃棄物の堆積場の工事差し止め仮処分決定がなされた。そして48時間以内の工事中止と、中止しない場合1日に付き3万ユーロの罰金が申し渡された。

 しかし、工事は継続されたばかりか、会社側の口頭弁論によって2007年2月2日には仮処分が撤回された。その後、テーリングの堆積場で発生する廃水をパイプラインで海岸から5キロメートル離れた海底から放流するパイプの敷設工事の妨害を行っている。

 陸上のルートには、にわかづくりの家を建てると会社側はルートを変更して工事を強行し、現在は海底の一部敷設の段階まできた。リブ・ヌーたちは漁船を仕立てパイプの撤去を求めている。そして先住民たちが、先祖から受け継いだ聖なる場所を表すトーテムポールを数箇所に立てて抵抗のシンボルとしている。

 この鉱山開発は、当初カナダのインコが行っていたが、同社は2006年10月、ブラジルの鉱山会社で世界一の鉄鉱石生産量を誇るCVRD(Vale)社に約2兆円のキャッシュで買収された。このほか、2005年から2006年にかけて資源メジャーたちが入り乱れて演じたニッケル鉱山会社買収劇は激しいものであった。

 買収を争った企業は、CVRD(ブラジル)、フリーポート・マクモラン(米)、BHPビリトン(英・豪)、エクストラータ(スイス)、テック・コミンコ(加)に対して被買収側の企業は、インコ(加)、ファルコンブリッジ(加)、そしてWMC(豪)であった。

 ファルコンブリッジはエクストラータに1兆9500 億円で、WMC社はBHPビリトンに8700億円で買収された。

 このような争奪戦の最中、ニッケルの国際価格は急騰し、一時1トン当たり5万5000円に達し、ロンドン金属取引所の指定在庫は世界の消費量の2日分を切ってパニック状態になり日本は国家備蓄を3度にわたって放出した。現在は2万8000~2万9000円の高値で落ち着いているが、2001年の安値時期には5000円レベルであった。日本ではステンレス製のお墓の花立てまで盗まれた。

 ニューカレドニアに限らず、世界の資源豊富な発展途上国の自然破壊の進行と先住民の抵抗そして資源ナショナリズムの台頭など資源供給側の不安定要因がますます大きくなってきている。

 それは中国がエンジンとなっている需要の大幅増加によるところが大きく、スカイロケッティングと表現されるような価格急騰を招いている。
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by deracine69 | 2008-05-27 06:00 | アジア・大洋州  

食糧危機への備えはあるか サブプライムや原油高よりも深刻

2008年5月14日 NBonline J・W・チャイ

 英エコノミスト誌は、2008年4月19日号の特集で世界に広がる食糧危機を取り上げた。タイトルは「The Silent Tsunami ~ The food crisis and how to solve it」。日本語に訳すと「静かな津波~食糧危機とその解決策」となるだろう。これは米国発の金融不安や原油高騰と比べても、看過できない問題だ。

 というより、もっと深刻な問題だと言った方が正しいだろう。「信用不安によって投資家が損失を被った」「住宅価格の下落で消費が減速した」と言っても、クーデターによって政府が潰れたり、何万人もの人々が死傷するわけではない。原油の高騰もしかりである。

 しかし、食糧危機は社会不安を起こす。食糧難と言うと、先進国や中東など一部の金持ち国ではインフレ問題の1つとして語られることが多い。そのため、先進国に住んでいる人々には、この問題の深刻さが正確に伝わらない。しかし、食糧危機は、後進国では餓死、反乱、クーデターを連想する言葉だ。つまり人々の生死に直結する問題である。

 なぜ、その食糧難がここへきて深刻さを増したのか。理由はいくつかある。

中国の中流層が菜食から肉食に

 第1が人口の増加だ。地球の資源が人口増に追いついていない。現在、世界の総人口は66億人を超えており、後進国ほど幾何級数的に増えている。この人口増の犠牲になっているのが農地面積だ。世界の農業収穫面積は1950年に比べて、半分以下に減った。人口が増えているのに、農地が減っているのだから、食糧不足になるのは当然である。

 第2が人々の食生活の変化である。人口が13億人を超える中国では、肉を食べる中産階級が急増している。肉牛を育てるには、餌としての穀物が必要になる。100カロリーの牛肉を生産するためには、約700カロリーの穀物が必要と言われる。つまり、人々の食生活が菜食から肉食に変化するほど、食糧不足が進む。世界人口の5分の1を占める中国で食生活の変化が起きているのだから、その影響は大きい。

 第3が農業の“工業化”だ。農地面積の減少を補うには、農業の生産性を向上させる必要がある。そのため、農業は急速に工業化された。これはすなわち、農業が燃料を必要とする産業に転じたことを意味する。

 トラクターや運搬車両には燃料が必要であり、肥料を作るのにも石油がいる。いつの間にか農業は石油無しにはやっていけない産業となった。そこを原油高が襲った。米国では標準的な肥料の値段が1年前には1トン当たり約450ドルだったが、現在はおよそ3倍の約1200ドルに高騰している。1バレルが110ドルを超えるような現在の石油の値段では、今の農業はもたない。
 
 第4が地球温暖化である。世界的な天候不順が農業の生産性を低下させている。例えば、世界で2番目の穀物輸出国であるオーストラリアが、10年来の天候不順で急速に砂漠化している。

 そして第5がバイオ燃料ブームだ。欧米を中心にガソリンに代わる燃料として、サトウキビ、トウモロコシ、廃木材などから作るバイオ燃料が注目を浴びている。各国政府が、バイオ燃料の普及を促すために優遇税制を導入している。安全保障上の理由からエネルギーを自国で賄うというのが大義名分となっているが、私に言わせれば、この仕組みは詐欺に近い。結果として食糧危機を助長している。

 サトウキビを原料とするブラジルの仕組みはまだ可能性があるが、大豆やトウモロコシを原料にする欧米の仕組みは生産性が低い。大豆の場合、バイオ燃料1ガロン当たりの生産コストが売り値を上回る。

 それにバイオ燃料ブームは投機マネーを呼び込んでおり、食糧価格高騰の一因を作っている。米国ではブッシュ政権がバイオ燃料を推進しているが、政権が代われば、早急に見直されるだろう。


フィリピン、ハイチなど世界中で、政府に対する抗議や暴動が起きる

 食糧難の影響は深刻である。世界には今、1日1ドル以下の食事代で生活している人が約10億人存在すると言われる。彼らは現在の食品価格が2割上がると、1日3食を2食に減らさざるを得ない。当然、食卓から肉や野菜は消える。1日50セントで生活する人だと、たちまち飢餓状態に陥る。

 一方、どこの国にもこうした食糧難を商機と見て、米や小麦粉などを買い占める“悪徳商人”が存在する。米の最大の輸入国であるフィリピンでは、政府がこうした悪徳商人に重刑を課そうとしているが、庶民は「それでも生ぬるい。死刑だ」と叫んでいる。ハイチでは食糧価格の高騰に怒った住民が抗議デモを多発し、首相が辞任に追い込まれた。

 既にインドやエジプトなど10カ国以上が食糧輸出禁止令や輸入食糧の無税化に動いている。アルゼンチンでは、食糧の輸出に税金を課したことが原因で、農民と政府の間で衝突が起きた。中国の事情通によれば、中国政府が今、北京オリンピック後に最も心配しているのは、経済の減速よりも、食糧不足による暴動が起きることだそうだ。

 食糧問題については、様々な形で支援策が講じられようとしている。4月に米ワシントンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも、この問題が論じられた。世界銀行と国際通貨基金(IMF)は食糧問題を緊急支援していく共同声明を出した。国際連合も、緊急支援のための資金の拠出を各国に求めている。

 もともと世界の主要国は、十分な食糧在庫を持っていたが、過去20年間、食糧が豊富で安価な時代が続いたため、次第に在庫を減らしていった。油断していたところを見計らったように、食糧危機が襲ってきたのである。金融問題や原油高に目を奪われていると、その背後にある深刻な危機に気づかない。特に資源の乏しい日本の場合、この問題にどう対処していくかは危急の課題のはずである。
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by deracine69 | 2008-05-14 08:00 | 社会  

日本と中国の資源外交、“風林火山”

資源確保に奔走する胡錦涛国家主席と温家宝首相
2008年5月13日 NB Online

 “風林火山”といえば戦国武将の武田信玄の旗じるしであることはよく知られている。これは、中国古典の兵法書(春秋時代、紀元前480年頃)からとったものである。その「軍争編」の中の一節に、「疾(はや)きこと風の如く、徐(しずか)なること林の如く、侵略すること火の如く、動かざること山の如く」というくだりがある。ここから風林火山の4文字を抜き出したものだ。

 この風林火山になぞらえて、日本と中国の資源外交を比較してみるとその違いが説明しやすい。中国は風の如く疾く、火の如く侵略する。日本は林の如く徐で、山の如く動かない。日本の音なしの構えが兵法に基づくものならよいのだが・・・。

 中国は高度経済成長を続けるため、その膨大な資源需要を満たすことが、胡錦濤政権にとっての最重要課題の1つとして位置づけられている。そのため国家戦略として胡錦涛国家主席と温家宝首相が先頭に立って世界に向けて資源確保のための首脳外交を行っている。

 その資源囲い込みに狂奔しているありさまが、まさに“風の如く”そして“火の如く”というわけだ。

 特にアフリカにおける資源外交攻勢は、欧米系の資源メジャーたちをあわてさせ、アフリカは中国によって“強姦・掠奪”(raped and pillaged)されているとまで表現している。自分たちの庭先と思ってわがもの顔に振る舞ってきたアフリカ大陸に、札束を持って国家主席をはじめ首脳陣が乗り込んできては大盤振る舞いで資源を囲い込んでいく中国に対して、メジャーたちが反発と恐れと危機感を強めているのである。

 2007年1月末のこと、世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加した資源メジャーの首脳たちが密かに会合を持ったのは、胡錦濤主席がアフリカ8カ国訪問に旅立つ数日前であった。議論の大半は中国問題であった。飢餓感を持った中国が資源豊富なアフリカ諸国へ外交的、経済的影響力を強化していった、そのあまりの速さについていけなかったことに対する危機感を共有した会議であった。

 6時間におよぶ会議の後、内容は「タイムズ」の記者を通じて公開された(Mining Journal Online)。中国の紐のつかない50億ドル規模の経済援助は、アフリカ各国の政府と指導者たちにしてみれば大変魅力的なアメであり、見返りに資源の探鉱・開発権益を与える。

 彼らは、「欧米の首脳が来ると、政治的なアジェンダを持ってきて、国連の改革と地域紛争のことしか言わない。しかし、中国は違う。それは経済だ。人権など政治的なことは一切言わずに援助をしてくれる」ということで歓迎しているのだ。

 資源外交攻勢はアフリカばかりではない。中・南米ではチリ、ペルー、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、キューバ。東南アジア・太平洋地域はオーストラリア、パプアニューギニア、インドネシア、ベトナム、北朝鮮。中央アジアではカザフスタン、モンゴルといったところが目立つ。資源を確保していくやり方は、みな同じようなパターンである。

 まず、胡主席が経済・貿易協力協定、社会・文化交流、政治的連帯などによって「戦略的パートナーシップ」構築を呼びかける。そして、すかさず温首相がフォローする。続いて国際資源メジャー並みに育って巨龍になった、中国五鉱集団公司(China Minmetals corporation)や中国アルミ業公司(Aluminum corporation of China)など国営企業が乗り込んでいくわけだ。

 資源獲得ツアーなどの訪問外交ばかりではない。招待外交も活発である。2005年4月のバンドン(インドネシア)で開催されたアジア・アフリカ会議、2006年11月に北京で開催された中国-アフリカ・サミットそして、2008年4月に海南島で開催されたアジア・フォーラムでも、しっかり資源外交を行った。

 その時の胡主席と各国首脳との個別会談の状況がサンフランシスコの中国総領事館のウェブサイトに掲載されている。各国首脳とは、チリのバチェレ大統領、オーストラリアのラッド首相、モンゴルのエンフバヤル大統領、カザフスタンのマシモフ首相などである。

 いずれも資源大国。2008年3月には、ペルーのガルシア大統領を北京に赤絨毯で歓迎している。ペルーでは、中国は大規模銅・モリブデン鉱山の自主開発を行っている。

 これまで、中国のアフリカにおける活動が目立っていたが、最近は中・南米諸国に対する資源外交攻勢を一段と強めているように見える。それは、アフリカに比べて鉱業法などが整備されており、リスクが比較的小さいからか。

 中国が確保の対象としている主な資源を紹介しておこう。

 コンゴ民主共和国の銅・コバルト・タンタル。ザンビアの銅・ニッケル。南アフリカ共和国の鉄鉱石・銅・ニッケル・白金族。ナイジェリアとアンゴラの石油。チリの銅。ブラジルの鉄鉱石・ボーキサイト。ペルーの銅・モリブデン。キューバのニッケル。

 オーストラリアの鉄鉱石・石炭・ウラニウム・ニッケル・ボーキサイト。パプアニューギニアのニッケル。インドネシアのニッケル・マンガン・スズ。モンゴルの金・銅・ウラニウム。カザフスタンのウラニウム・クロム。北朝鮮の鉄鉱石・マグネシウム・タングステン。といったところである。

 さて、それでは世界で冠たる“ものづくり立国”を標榜する日本。国家戦略と資源外交はどうなっているのだろうか。冒頭に述べたように、徐(しず)かなる林と、動かざる山のようである。

 2005年4月、オーストラリアのハワード首相(当時)が自由貿易協定(FTA)締結交渉に来日、中川昭一経済産業大臣(当時)と会談したが国内農業への影響を懸念して見送られた。

 ハワード首相はその足で中国へ飛び、温家宝首相と会談、即座に資源と農業分野でFTA締結に向けた交渉を正式に合意した。これに呼応するかのように、1967年以来ずっと日本向けに輸出されていたニッケル鉱石が突然中国向けに振り向けられてしまった。

 ここ数年の日本の資源外交と言える動きを2~3紹介しておこう。2006年8月、小泉純一郎首相が資源大国カザフスタンを訪問、経済協力と資源をテーマに首脳会談を行った。2007年4月、世界的な原子力発電回帰に伴うウラン争奪戦の最中、カザフスタンへ甘利経済産業大臣ほか官民訪問団を送ってウランの権益を取得するなどの成果を上げた。

 2007年6月、レアメタルのスカイロケッティングと表現されるような価格高騰に対して経産省はニッケルなどの国家備蓄積み増しとともに資源外交の強化を訴えた。2007年11月、甘利明大臣に民間企業も同行してレアメタル確保のために南アフリカとボツワナを訪問した。

 2008年5月の大型連休中には甘利大臣が南米に資源外交に出発予定であったが、ガソリンにかかる暫定税率を復活させる法案の再可決のため6月に延期することになったとのこと。

 中国は既に2004年11月に、胡主席がチリで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に出席した際、ブラジル、アルゼンチン、キューバも訪問している。ブラジルとは経済・貿易協力協定を締結し、2006年6月にエネルギーとメタル資源の開発に関する閣僚級の合意文書に調印した。

 日本と中国あまりの違い、“ものつくり日本”の将来を考えると寂しいかぎりである。わが国がこのようになってしまった理由は数々あるが、紙面の都合で割愛する。
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by deracine69 | 2008-05-13 12:00 | アジア・大洋州  

新疆自治区、昨年発見された石炭埋蔵量190億万トン弱に

2008年05月13日 00時00分 日本経済新聞

新疆ウイグル自治区国土資源庁は7日、同自治区で昨年発見された石炭資源の埋蔵量が189億8000万トンに達したことを発表した。

中国におけるエネルギー戦略備蓄基地としての新疆の地位は、ますます強固なものとなっている。昨年発見された石炭資源は主に、準東炭田岌岌湖西炭鉱、五彩湾露天炭鉱などの鉱区に集中、なかでもジュンガル盆地東部の石炭埋蔵量は3700億トン以上に達しており、新疆における石炭発電・石炭化学工業産業の発展にとって最も重要な基地とされている。

同地域の豊富な石炭資源を開発するため、昨年11月に新疆の首府ウルムチから準東に至る鉄道の建設がスタート、また国家電網公司による220キロボルト五彩湾送変電施設建設もスタートし、これら2大プロジェクトが完成すれば準東炭田の開発に十分な電力の供給が保証されることになる。

新疆の石炭資源埋蔵量は2兆1900億トンに上ると予測されており、中国全土の総埋蔵量の40%を占める。現在同自治区の年間石炭生産量は約5000万トンを維持しており、政府による新疆発展計画によると、2020年までに同自治区の石炭生産量は全国生産量の2割以上を占める10億トンに達する予定だという。(日中経済通信05月08日)
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by deracine69 | 2008-05-13 00:00 | アジア・大洋州  

石油元売り大手2社が経常増益 在庫評価益増加

5月9日21時35分配信 産経新聞

 石油元売り大手4社の平成20年3月期連結決算が9日出そろった。原油高が続くなか、期初の割安な在庫による利益かさ上げ(在庫評価益)効果で経常利益は新日本石油とコスモ石油が増益となる一方、出光興産と新日鉱ホールディングス(HD)が減益となった。21年3月期は、円高で在庫評価益が減少するため、出光を除く3社が減益を予想する。

 出光を除く3社は、原油の在庫評価について、期初の在庫額と当期の仕入れ額を合計し平均する方式を採用。原油が上昇すると評価益が生じるため、20年3月期の評価益は新日石で前期比1067億円増、コスモは同422億円増となり利益を押し上げた。新日鉱HDも評価益は出たが、金属事業の減益が影響した。

 原油の後入先出法を採用する出光は、評価益がなく石油精製販売事業の営業損益は78億円の赤字に転落。ただ、ほかの3社も評価益を除いた石油精製事業の実質損益は赤字だった。原油調達コストの増加を末端価格に転嫁できなかったため。21年3月期のドバイ原油価格は、4社とも前期比18ドル高の1バレル=95ドルと高値継続を予想。ただ、出光は石炭事業の好調から唯一、経常増益を見込む。
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by deracine69 | 2008-05-09 21:35 | 経済・企業