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ネット店舗拡大 スーパー/古書店

 ≪スーパー≫

 ■IT時代の「御用聞き」浸透

 インターネットで注文を受け、食料品や日用品を宅配する「ネットスーパー」が広がりをみせている。西友が今月中旬からサービス地域を大幅に拡大するほか、イトーヨーカ堂も年内に首都圏を中心に店舗を増やす方針。五、六年前からスーパーが一部店舗で細々と取り組んでいたが、「IT(情報技術)時代の御用聞き」として子育てに忙しい主婦や高齢者らの間で定着してきた。



 ネットスーパーは、スーパーのホームページから会員が商品を注文すると、最寄り店から最短で三時間程度で届けるサービス。配送料は三百-五百円かかるが、一定金額以上の買い物をすると無料配送するスーパーもある。コメやペットボトル飲料のような重量のある商品の注文が多いという。

 パソコン以外に携帯電話で注文できるスーパーもあるが、各社とも対象地域内でないと利用できない。買い物代金は品物と引き換えか、クレジットカードで支払う。

 平成十二年にサービスを始めた西友は東京、埼玉、神奈川の一都二県にある百二十九店のうち二十一店舗で展開中。会員は七万八千人に広がった。「売り上げ的にはまだまだだが、ようやくビジネスモデルが確立した」として今月から十店程度増やす計画だ。

 イトーヨーカ堂も十三年から葛西店(東京都江戸川区)で実験的にスタート。「店でお客さまを待っているだけではなく、『御用聞き』のようなイメージで積極的に顧客を獲得しようと考えた」と担当者は話す。江戸川区と、隣接する千葉県浦安市を対象地域に会員を募集。会員数は公表していないが、スタート当初に比べ受注件数は五倍に伸びたという。

 今年四月にオープンした亀有店(東京都葛飾区)でも同様のサービスをスタートするなど現在四店舗で実施中だ。

 このほか、首都圏でマルエツ、関西圏でイズミヤがネットスーパーを展開しており、いずれもエリア拡大に前向きだ。

 実際の店舗に比べればネットスーパーの売上高はごくわずか。コストもかかるが、「子育て中の女性や高齢者ばかりでなく店の近くに住む主婦が会員になるケースも増え、認知度は確実に上がっている」(西友)と自信を深める。あるスーパーは会員の情報から消費者の購買動向をつかみ、販売戦略に活用している。「折り込み広告では吸い上げられなかった細かい消費者のニーズを把握することができる」(大手スーパー)という。

 車を運転できないお年寄りたちにとって、買い物で重い荷物を運ぶのは一苦労。高齢化社会を迎え、ネットスーパーは本格普及しそうだ。(石垣良幸)

     ◇

≪古書店≫

 ■「神田ブランド」加盟数最多

 日本一の古書店街、東京・神田神保町にも、インターネット上で営業する古書店(ネット古書店)が進出している。全国的には後継者不足などで減少する古書店だが、神田神保町では、ネット古書店の影響もあり、過去最高の業者数を記録している。

 古書検索サイト「スーパー源氏」によると、十年前の開設時に皆無だったネット古書店が、現在は加盟約百七十店の約四割に上るという。自宅で本を探せる利用者側のメリットに加え、業者側も店舗を必要とせず、少ない資金で開業できるなどの利点がある。

 約七百の古書店でつくる東京都古書籍商業協同組合は今年、加盟条件から「店舗開設」の項目をはずした。これまでは加盟には店舗か、それに類する事務所が必要で、ネット古書店の多くは加盟を断念していたという。

 同組合には年に十数店が加盟申請してくるが、最近はほぼ半分がネット古書店に。加盟すると、日本最大級の古書検索サイト「日本の古本屋」に参加でき、業者間の仕入れ、情報交換などに利便性が生まれる。

 彼らが目指すのが本の街、神田神保町だ。同組合の神田支部は、今年三月時点で加盟店数は過去最高の百六十四。都内全体では減少傾向だが、神田支部は平成十年に比べて三十二店も増えた。同組合の中野照司広報部長は「近くに東京古書会館があり、仕入れ環境が日本一。神田神保町というブランドに魅力を感じて加盟してくるのでは。店舗を持つ業者もネットで売る時代。店舗を閉じてネット専業に変わる既存の加盟店もあり、組合も柔軟に対応するようにした」と説明している。(堀晃和)

(産経新聞) - 5月8日2時58分更新

by deracine69 | 2006-05-08 02:58 | 経済・企業  

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