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爬虫類ペットに注意 乳幼児のサルモネラ菌感染相次ぐ

 カメやイグアナなど、最近人気が高まっている爬虫類(はちゅうるい)ペットからサルモネラ菌に感染する乳幼児が相次いでいる。食中毒のような下痢症状にとどまらず、敗血症や髄膜炎など深刻な状態に陥る子もいる。海外では死亡例も報告されており、国立感染症研究所は、爬虫類ペットの扱い方に注意するよう警告している。

 今年5月、新潟県に住む生後7カ月の乳児が高熱が続いて衰弱し、入院した。血液検査でサルモネラ菌が見つかり、敗血症と診断された。抗生剤で治療し、入院から8日後に退院した。

 サルモネラは一般に食中毒の原因菌として有名だが、この乳児から見つかった菌は食中毒のサルモネラとは型が異なり、欧米ではしばしば爬虫類由来の感染を起こしている珍しい型だった。一家7人のうち、母と兄2人の計3人の便からも同型の菌が見つかった。

 地元保健所によると、一家は大型カメの一種、ケヅメリクガメ(体長45センチ、幅30センチ、厚み18センチ)を飼っており、浴室で甲羅を洗うなど、家族のように可愛がっていたという。飼育法や菌型などから、保健所はこのカメが感染源と見ている。

 感染研によると、04年から今年8月の間に、同様の感染は5件6人が判明している。報告義務はないため、把握できた患者は「氷山の一角」とみられる。死亡者はいないが、全体に症状は重い。英国では00年に乳幼児が2人死亡、米国では集団感染も起きている。米国疾病対策センターは、爬虫類からの感染を防ぐ家庭用ガイドラインを出し、正しく飼うよう注意を促している。

 市販のペット用爬虫類の多くは海外産だ。財務省の貿易統計によると、05年に輸入された爬虫類は約80万匹。欧米の報告では、爬虫類の5~9割が菌を持っているとされるが、動物自体は発病しないため、外見では菌の有無は判断できない。

 感染研細菌第一部の泉谷秀昌室長は「適切に飼えば、むやみに恐れる必要はないが、幼い子やお年寄りは、わずかな菌量でも発病し重症化する危険性がある」という。水槽内の水が特に汚染されやすいので、こまめに掃除し、網などで覆って子どもに触れさせないよう助言する。

朝日新聞 2006年09月19日15時57分

by deracine69 | 2006-09-19 15:57 | 社会  

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