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踏み殺された5匹の子イヌ―雲南省昆明市

12月13日14時25分配信 Record China

2006年12月11日、雲南(うんなん)省昆明(こんめい)市の江浜西路4号に住むイヌの親子を、思いもよらぬ悲劇が襲った。母イヌと子イヌ6匹が仲良く身を寄せていた、住宅街の一角にある犬小屋の前に、1人の男が立ちはだかった。手には自宅から用意してきた長い棒を持っている。そしてこの犬小屋に勢いよく突っ込んだかと思うと、子イヌたちを犬小屋から引きずり出した。驚いた子イヌたちは不意の出来事になす術もない。そして何を思ったか、男は地面に放り出された5匹の子イヌを足で踏みつけ始めたのだ。虐待のレベルではない。明らかに殺意を抱いている。子イヌたちの悲痛な叫びが住宅地に響き渡った。母イヌも、痛めつけられている我が子を目の前に、狂ったように鳴き叫んでいる。この尋常でない様子を聞きつけ、イヌをかわいがっていた近所の人が続々と駆けつけた。



今年3月、この住宅地に迷い込んできた一匹の野良イヌ。道をウロウロとさまよっているのをかわいそうに思った人が保護をして、近所の人が交代でえさをあげるなどの世話をしていた。その後いつしか犬小屋が作られて、地域のマスコット犬となったのだった。11月、このワンちゃんに6匹の子イヌが産まれてからは、イヌの親子は住民たちの心の癒しとして、みんなに愛された。近所の子どもたちが、イヌの赤ちゃんたちに自分のご飯を持っていくというほほえましい姿も見られ、街はイヌを取り巻く優しい空気に包まれていた。そんな中でのこの惨劇は、住宅街の多くの人々に大きなショックを与えた。
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男は死んだ子イヌをダンボールに入れ、運び出そうとしていたところを付近の住民に見つかった。

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2006年12月11日、雲南(うんなん)省昆明(こんめい)市の江浜西路4号で、地域でかわいがられていた子イヌ5匹が突然襲われ、無残にも踏み潰されるという事件が起こった。

騒ぎを聞きつけた人が現場へ急行すると、男は暴行により息絶えた5匹の子イヌをダンボールに詰めて、運び出そうとしているところだったという。同じくイヌの悲痛な鳴き声を聞いて家を飛び出し集まった人々が、この男を取り囲んだ。「なぜ可愛い子イヌを殺したんだ。どうしてこんなに残酷なことをしたんだ!」信じがたい光景に怒りをあらわにして、人々は男に詰め寄った。

この男は名前を桂鴻祥(グイホンシアン)といい、犬小屋が設置された場所から150mほど離れた所にある、隣のマンションの住人だった。7Fの自室に聞こえてくるイヌの鳴き声に、毎日悩まされていたという。ストレスで夜も眠れず我慢ができなくなり、この日とうとうイヌを殺そうと決意したらしい。

しかし近所のマスコット的存在のイヌに対し、このような悲しむべき感情を抱くとは、恐らくこの男は普段の生活の中で、別のストレスを溜めていたのだろう。身勝手な理由で小さな動物の命を奪ったこの男を、街の人々が許すはずがない。集まった住人と男は殴り合いとなり、犬小屋の周りはひどい騒ぎとなった。しまいには警察が駆けつけて、この男の身柄と変わり果てた子イヌ5匹の死骸が、一時引き取られることになったのだった。公安当局で、ひとまず事情聴取が行なわれたが、男はすぐに解放された。当然、住民の感情は収まらない。
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怒った人々が、腹立ちのあまり男を取り囲み抗議し、しまいには殴り合いとなった。

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2006年12月11日、雲南(うんなん)省昆明(こんめい)市の江浜西路4号で、住民のマスコット的存在だった子イヌ6匹のうち、5匹を無残にも踏み潰して殺した桂鴻祥(グイホンシアン)。この男はなぜこんなことをしたのか、どのような処罰が下されるのかについて、専門家の話を聞いた。

まずどのように処罰されるのかを法律専門家に伺ったところ、現在の中国の法律ではこのような動物虐待に対する処罰は制定されていないという。皆が可愛がっていた子イヌに対して、この男はなぜこのような暴挙に出たのだろうか。雲南省社会心理学専門家の周光栄(ジョウグアンロン)氏の話では、通常イヌの鳴き声などの生活騒音による苦情は、警察に通報して対処を求める事もできる。しかし彼は感情にまかせ、残酷にもイヌを殺すことで状況を好転させようとした。普段の生活の中でも人間関係に思い悩んでいて、心にひずみが宿っていたのではないかとの分析だった。ストレス過多で起こした行動といえども、非常識で倫理に反するこのような行為は批判されるべきだと、周さんは述べた。

急激な発展をみせる大国・中国において、このような非人道的な行為が罰として認められないことは非常に不安である。惨劇を乗り越えて、母イヌと生き残った1匹の子イヌは今、ひとまず元気に暮らしている。しかし人間に対する不信感、警戒心が非常に大きくなってしまったことは確かだ。兄弟をなくしたワンちゃんは毎日、ママのお腹の下から離れようとしない。二度とこのような悲しい動物たちを増やさないために、今後住民たちは交代で見回りをするなど、パトロールを強化する考えだという。
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残った1匹の子イヌと、恐怖におびえて暮らす母イヌ。

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2006年12月11日、雲南(うんなん)省昆明(こんめい)市の江浜西路4号で、住民のマスコット的存在だった生後25日の子イヌ6匹のうち、5匹を無残にも踏み潰して殺した桂鴻祥(グイホンシアン)。警察はこの男を公安局に連れて行き、詳しい話を聞いた。3人の住民が証人として、自発的これに同行した。

しかしこの事件を担当する警官・孫振鋼(シュンジェンガン)氏は、法律専門家が指摘したように、動物虐待に対する処罰を定めた法律がないため、警官にもどうすることもできないと説明した。最後、警察たちは男の勤め先である昆明市盤竜(パンロン)区の宣伝センターに連絡して、この出来事を知らせることにした。午後4時、会社の責任者2人が公安局を訪れて謝罪の言葉を述べ、社内で厳しく教育すると約束し、男を連れて帰っていった。

この日の夜、数十人の市民が住宅地の近くに集まって、イヌの写真や「虐殺反対、命を大事に」などの看板を掲げ、動物虐待に反対する抗議を行った。彼らの怒りの行為は深夜まで続いた。
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夜には付近の住民による抗議運動が行われた。

by deracine69 | 2006-12-13 14:25 | アジア・大洋州  

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