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タイ爆弾テロ 歓楽街は狙わず社会混乱が目的?

1月4日8時0分配信 産経新聞

 ■根強いタクシン派説真相究明なお時間

 【バンコク=岩田智雄】タイの首都バンコクで起きた連続爆弾テロ事件で、クーデターを起こした軍人らで組織する国家治安評議会のサプラン副議長は3日、事件の背後に権力を失った政治家と軍人がいると明らかにし、タクシン前首相の支持者による犯行であることを強く示唆した。しかし、南部のイスラム武装勢力による犯行を指摘する見方も依然、くすぶっており、事件の真相究明にはなお時間がかかりそうだ。

 今回の事件についてサプラン副議長は地元ラジオで「爆発は権力と利益を失った政治家による卑劣な行為だったことを証拠と情報が示している。悪い政治家に忠誠を誓う悪い軍人が、現政府を倒そうと意図するこれら政治家に協力して起こしたものだ」と述べた。

 また、サプラン副議長は、「(タクシン派が)年老いた軍人を使って言葉の戦争を現政府に仕掛けている」と述べ、暫定政府批判を繰り返す元陸軍司令官のチャワリット元首相を暗に非難した。

 チャワリット氏は1997年、アジア通貨危機の責任を取って首相を辞任。同氏が党首を務めていた新希望党は、タクシン前首相が結成したタイ愛国党に2002年に吸収合併された。チャワリット氏はすでに政界から退いているが、地元メディアによると、愛国党の新党首就任を打診されている。

 これまでの警察当局の発表や地元報道によると、8カ所で起きた爆発で死亡した人は、タイ人3人。爆発力は強くないが、クギが仕込まれるなど負傷者を多く出す仕組みだった。爆発場所は、地元住民が多く集まるディスカウント・スーパーや川を運航する小型船の桟橋などで、外国人観光客が多いホテルや歓楽街は狙われなかった。

 このため、アルカーイダのような国際的テロ組織の関与を指摘する声はなく、事件は国内政治と社会の混乱を狙った犯行との見方が有力。

 タクシン前首相は2日発表した声明で、犯行の手口は南部のイスラム武装勢力が、昨年9月に観光地ハジャイで起こした爆弾テロ事件と酷似しているとして、同勢力の関与を指摘しているが、サプラン副議長は改めてその可能性を否定した。

 ただ、スラユット暫定首相は先の記者会見で、政治的利益を失った犯行グループとは「必ずしも前政権のメンバーとは限らない」と話している。

 一方、年末年始の休業から3日再開したタイの株式市場は最大で3・8%下落し、事件は経済に影を落としている。今後、タイを訪れる観光客のタイへの出足を懸念する声も上がっている。

by deracine69 | 2007-01-04 08:00 | アジア・大洋州  

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