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「新たな通貨制度が必要」 バーツ高騰でタイ中央銀総裁

2007年01月06日08時55分 朝日新聞

 昨年12月18日に厳しい資本規制策を発表し、株式市場の暴落を招いたタイ中央銀行のタリサ・ワタナゲート総裁は朝日新聞社のインタビューに対し、「米国経済の減速で流入する投機マネーを抑制するため、規制はやむをえなかった」と述べた。さらに小国の通貨が投機の対象となることを防ぐために、アジア域内に新たな通貨制度をもうけることの必要性を訴えた。

 タリサ氏は、ドルに対して1年間に17%の急激なバーツ高が進んだ背景について「低金利のもとで膨らんだグローバルマネーが米国経済の減速と貿易の不均衡を嫌ってアジアに向かっている」と指摘。管理相場制を続ける中国や香港、シンガポールではなく、変動相場制で比較的、市場規模が小さいタイが絶好の投機の対象になっている、と語った。

 規制に踏み切った理由については、巨額の貿易黒字を抱える中国の人民元が年間3%の上昇率にとどまっており、「タイの輸出業者が競争力を急速に失い、不良債権が生じる可能性があった」と説明した。

 規制がやりすぎだった、という投資家の批判に対しては「直前に2度、ゆるやかな規制を発表したが効果がなかった。変化が激しい市場環境に対して、伝統的な対処方法は通用せず、国際通貨基金(IMF)など国際機関からも否定的な声はない」と主張。ただ「株価が暴落するほどの影響は予期できず、市場心理を読み誤った」とも語った。

 また、中長期的な課題として「共通通貨バスケット」制度を導入するよう国際機関や各国に協力を求める方針を明らかにした。同制度は、貿易量などに応じて算出した計算上の「共通通貨」に各国の通貨を連動させる仕組みだ。

by deracine69 | 2007-01-06 08:55 | アジア・大洋州  

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