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原発立地へ対策強化 中部電力 火力増やし収益悪化

2007年01月06日06時34分 朝日新聞

 中部電力が今年、76年に運転を始めた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)以来となる、原発の新規立地に向けた取り組みを強化する。二酸化炭素の排出抑制や発電コスト削減には、発電量に占める原発の比率を高める必要があるからだ。三田敏雄社長は「年内に立地点の糸口ぐらいは見つけたい」としている。

 中部電力は浜岡原発に1~5号機を持ち、出力は計500万キロワット。05年度の原発の発電量は約300億キロワット時で総発電量の23%と、国内全体の32%より低い。しかも昨年6月に5号機がタービン損傷事故で停止したため、06年度はさらに比率が下がる見通しだ。これを将来的に30~40%に高めたい考えだ。

 ただ、浜岡原発の敷地内に余裕はなく、現時点では立地の具体的な候補地すら絞り込めていない。このため新年度はまず、原発建設への地域住民や消費者の理解が広がるよう、広報予算を増額する。また、他の電力会社の原発からの電力購入を、現在の北陸電力の志賀原発(石川県)以外に広げることも検討する。

 中部電力は以前から、浜岡以外の原発立地を目指してきた。しかし00年2月、三重・芦浜の計画を三重県知事の判断を受けて断念。03年12月には、将来の電力需要の伸びがそれまでの予想を下回るとして、関西、北陸電力と進めていた珠洲(石川県)の建設計画を凍結した。当時は相対的にコストが高いとみられた原発の建設が、電力自由化で競争力の強化が求められる中、全国的に下火になっていたからだ。

 しかし、最近の原油高で事情は変わった。中部電力は浜岡5号機の停止で火力発電の稼働を増やした結果、燃料費が1日あたり4億円も余分にかかることになり、07年3月期は大幅な減益となる見通しだ。

 原油高に加え、二酸化炭素排出の削減のため、原発をめぐる潮流は世界的にも変わり始めた。長年新規の原発建設をしてこなかった米国などが相次いで建設方針を表明したほか、「脱原発」を掲げていた欧州の主要国でも見直しの動きが出ている。

by deracine69 | 2007-01-06 06:34 | 経済・企業  

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