人気ブログランキング | 話題のタグを見る

事務所費問題 歯切れ悪さ残る首相 領収書拒否など足かせに

2007年7月10日 東京新聞

 赤城徳彦農相の事務所費問題をめぐり、安倍首相は、赤城氏本人に領収書の提出を求めないなど、多弁の中にも歯切れの悪さが残った。首相としては、国民の批判が強い「政治とカネ」の問題で、毅然(きぜん)とした態度を示し、国民の不信を一気に払しょくしたいところだが、踏み込んで発言できない二つの「足かせ」があり、二十九日の参院選投開票日までに批判をかわしきれるかどうか不透明だ。

 首相にとって第一の足かせは、佐田玄一郎前行革担当相や伊吹文明文部科学相、自殺した松岡利勝前農相の多額の事務所費計上が明らかになった際、領収書の提出拒否を容認したことだ。

 その根拠は、改正前の政治資金規正法では、政治団体の事務所費は領収書添付を義務づけられていなかったこと。

 野党側は「領収書を示すべきだ」と求めてきたが、各閣僚は一貫して拒否。首相も領収書提出を求めたことはなかった。

 赤城氏に領収書提出を求めれば、提出していない松岡氏らの事務所費問題を再燃させてしまう。

 首相は九日、本紙などのインタビューで「(赤城氏は)かなり詳細に説明した」と、領収書提出は必要ないと繰り返さざるを得なかった。

 もう一つの足かせは、先の国会で成立した改正政治資金規正法が、五万円以上の事務所費支出への領収書添付義務付けを、資金管理団体に限定したことだ。

 赤城氏の後援会は、資金管理団体でなく、改正法でも領収書添付の必要はない。赤城氏の事務所費問題を受け、改正法を「ザル法だ」と批判してきた野党側は勢いづいているが、改正法は首相が自民党内の反対を押し切って成立させた経緯があり、首相がこれ以上踏み込めば、党内で首相への不満が一気に広がり、党内基盤が大きく揺らぐ可能性がある。

 「資金管理団体に資金の流れを集中していくことが大事だ」

 首相は、歯切れの悪い発言を繰り返している。 (原田悟)

by deracine69 | 2007-07-10 11:35 | 政治  

<< ライブドア脱「ヒルズ族」 30... 住民税アップ低所得者悲鳴 >>