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有害化学物質 発育への影響追跡 10万人、出生前から調査

8月17日16時35分配信 産経新聞

 環境省は約10万人の子供を対象にダイオキシンや水銀など環境中の有害化学物質が発育に及ぼす影響について、出生前から数十年、長期間追跡する疫学調査に来年度から乗り出すことを決めた。

 国内での化学物質の影響については成人を対象にした研究が中心で、より影響を受けやすい子供に関する本格的な疫学調査に国が乗り出すのは初めて。

 健康への影響が大きいとされる5種の有害化学物質について血液や尿、毛髪中の濃度を毎年1回測定し、成育の状況を記録。得られたデータを総合的に分析、5年ごとに途中経過を取りまとめ、新たな環境基準値設定の必要性などについて検討する際の参考にする方針。

 担当者は「化学物質の影響を最も受けやすい胎児の段階から長期にわたり、広範囲にデータを収集することで、近年増加している小児ぜんそくやアトピー、発達障害などとの因果関係解明にも役立つと期待できる」(環境リスク評価室)としている。

 化学物質は世界で約10万種類、日本だけでも約5万種類あるとされる。同省によると、調査対象の有害化学物質はダイオキシン、水銀、鉛、有機フッ素化合物、臭素系ダイオキシン。全国の妊婦健診で子供の登録を呼び掛け、出生前や出生時については母親の血液や臍帯血(さいたいけつ)に含まれる濃度を確認する。

 床をはい回ったり手や物を口に入れたりするなど摂取経路が成人と異なる幼児の特性にも着目し、食生活や住環境などもチェックする。

 子供に焦点を絞った有害化学物質の影響評価や基準づくりは欧州で盛んで、ドイツや英国などで同様の調査が実施されているが、国内では研究や対策の遅れが指摘されていた。

by deracine69 | 2007-08-17 16:35 | 社会  

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