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航空大国復興へ 露大統領、大号令 イラン・キューバに旅客機

8月23日8時1分配信 産経新聞

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は21日、同国で始まった航空ショー「MAKS-2007」に駆けつけ、航空大国の地位を復権すべく努力せよと同国の関係当局に大号令をかけた。ロシアは、航空ショーの初日に早くもインドネシアへの戦闘機売却契約を締結するなど、「英国、フランスを追い越せ!」とばかり、勢いづいている。

 MAKSは、2年に1度、モスクワ郊外のジュコフスキー空軍基地で開かれるロシア最大規模の航空ショーで、今年で8回目。21日にショーを開会したプーチン大統領は「ロシアは、軍用機の生産で優越性を保つという挑戦を突きつけられている」と述べ、関係者らにはっぱをかけた。

 報道によると、ロシアは21日、インドネシアと2種類のスホイ戦闘機合わせて6機を3億3000万ドル(約380億円)で売却する契約を締結。22日には、イランとキューバの両国に旅客機ツポレフ204をそれぞれ5機ずつ売却する契約を結んだ。契約総額は、3億5000万ドル以上と伝えられている。

 プーチン大統領は、ソ連時代に行っていた戦略爆撃機による偵察飛行を15年ぶりに再開すると17日発表、その当日、英国領空近くで爆撃機が目撃された。ブルチン大統領補佐官(防衛担当)は、ロシアが今後、戦略爆撃機の生産を再開する可能性があると述べた。

 また、プーチン大統領は、欧米の民間航空機メーカーとの競争を念頭に置き、国内の民間メーカーが合併して統一航空機会社(UAC)を創設するよう命じ、ソ連崩壊後初となる国産の新型旅客機スーパージェットの売り込みをもくろむなど、航空関係事業の活性化を図っている。

 プーチン政権派の日刊紙イズベスチヤは22日、一面に「契約は、空から降ってくる」との見出しの記事を掲載し、「ショーの開催期間中、この調子で契約が結ばれれば、MAKSは、フランスのル・ブルジェ航空ショーや英国のファーンボロ国際航空ショーと競うことができるようになれる」と強調して欧州勢へのライバル意識をむき出しにした。

 欧米側はこれに対し、「ロシアの軍事拡張主義が新たな段階に入った」(英ガーディアン紙)などと報じ、ロシアの航空大国復興への警戒感を示している。

by deracine69 | 2007-08-23 08:01 | ヨーロッパ  

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