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<記録的猛暑>鶏も夏バテ…愛知県内で1万3000羽死ぬ

8月25日15時6分配信 毎日新聞

 この夏の記録的猛暑で鶏の「夏バテ」がひどく、卵の生産に影響が出ている。養鶏農家は鶏舎の屋根に散水したり、高カロリーの飼料を与えるなどの対策に大わらわ。“暑過ぎる夏”にトリもヒトもヘトヘトだ。【井上章、安達一正】

 鶏は発汗による体温調節ができないため、気温30度以上で呼吸が激しくなり、35度を超えると死ぬものが出始める。暑さで食欲が落ち▽産卵数の減少▽卵の小サイズ化▽殻が薄くなる――などの悪影響も表れるという。

 JAあいち経済連によると、卵のサイズは夏に入って平均で2~3%小さくなった。食欲不振が原因とみられ、特に8月から目立っている。飼育設備が古く、室温管理が難しい農家を中心に鶏が死んでおり、愛知県畜産課には、県内28戸の農家で計約1万3000羽が死んだと報告されている。同県畜産総合センター種鶏場(安城市)で飼育する鶏は8月中旬以降、産卵率が前月比で10%以上減り、担当者は「昼の猛暑に加え、夜間の高温も影響したのでは」と話す。

 農家の声は切実だ。同県一宮市丹陽町で約8000羽を飼う湯浅和征さん(63)方では、8月に入って鶏の食欲が減退。鶏舎のスレート屋根に散水したり夏用の餌や水を多めに与えている。岐阜県多治見市で国内観測史上最高の40・9度を記録した16日には、鶏舎内も40度を超え、翌日までに約140羽が死んだ。産卵量も激減し、特に体が大きい品種が産む「赤玉」は個数で約30%減だった。養鶏歴40年以上の湯浅さんも「こんな暑さは初めて。鶏は夏にダメージを受けると秋に一層、卵を産まなくなるので心配」と表情を曇らせる。

 約18万羽を飼育する一宮市千秋町の浮野養鶏農協でも水冷クーラーなどで鶏舎内の温度を調整しているが、それでも卵のサイズは小ぶりになった。直売所では売れ筋の「2L」や「L」の大きいサイズの品薄状態が続いているという。

 名古屋地方気象台では、最高気温が30度を超す残暑は9月以降も続くとみており、養鶏農家の苦労はしばらく続きそうだ。

by deracine69 | 2007-08-25 15:06 | 社会  

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