人気ブログランキング | 話題のタグを見る

退任当日まで知らず…村瀬社保庁長官“使い捨て”に批判の声

9月1日11時36分配信 産経新聞

 社会保険庁立て直しのため、3年前に民間から三顧の礼で長官に迎え入れられた村瀬清司氏が、31日付で退任した。村瀬氏は社保庁改革の象徴として、業務見直しや職員意識改革などで数々の実績を上げてきたが、最後は年金記録紛失問題の責任を問われて、見せしめのように追いやられた形だ。村瀬氏を支えてきた経済界だけでなく、政府・与党内からも、安倍晋三首相サイドの対応は礼節を欠いていると批判の声が出ており、民間人登用にあたっての「政治の後ろ盾」のあり方の難しさも印象付けた。

 村瀬氏は31日の退任会見で、「年金記録問題の今後の工程表を示し、それをしっかりやるという道筋はついた」と仕事に区切りはつけたと強調したが、「社保庁は実施庁だから、国民から注目されなくなったときが社保庁改革が完成したときだ」とも語り、改革途上での退任に寂しさものぞかせた。

 退任後の問題について、出身の損保ジャパンなどから心配する声も届いているが、今後の身の振り方は白紙という。舛添要一厚労相は「苦労された体験をきちんと継承し、礼をもって遇したい」としているが、村瀬氏は「後任長官がやりづらい」として、社保庁とは一線を画す考えだ。

 今回の人事は首相官邸主導で行われた。村瀬氏は参院選後に柳沢伯夫前厚労相に自身の処遇を任せていたものの、退任の事実が告げられたのは記者発表当日の24日だった。柳沢氏からは「勇退してもらうことになりました」の一言だけだったという。

 「使い捨て」のようなやり方に経済界は不満を強めており、日本政策投資銀行総裁など3つの政府系金融機関トップに民間人を据えたい政府方針への影響も指摘される。

 内閣改造は何とか乗り切った首相だが、人事下手の印象はぬぐえない。坂野泰治新長官はすぐに真価を問われることになりそうだ。

by deracine69 | 2007-09-01 11:36 | 行政・公務員  

<< アフガンで交渉指揮=韓国情報機... <遠藤農相>組合長務める団体、... >>