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露ソチに「五輪バブル」到来 不動産価格急騰

9月6日14時15分配信 産経新聞

 2014年冬季五輪の開催都市に選ばれたロシア黒海沿岸の観光地、ソチ市で、不動産価格が急激に上昇している。投入される120億ドル(約1兆4000億円)の開発予算をあてこみ、ひともうけしようとする投資家らの不動産売買が過熱しているためで、すでにモスクワの平均不動産価格を上回っている。ソチの“五輪特需”には国内外から熱い視線が送られている。

 ラジオ局「モスクワのこだま」によると、7月に五輪開催が決まってからわずか1カ月で、ソチの不動産平均価格は13%も上昇。1平方メートルあたりで5000ドル(約58万円)の値がつき、中心部では同1万2000ドル(約140万円)と高級マンションが立ち並ぶ東京・広尾なみの高値で取引されている。好景気を背景に、バブルが続いているモスクワの平均不動産価格をすでに超えており、14年には、モスクワの約2倍に達するとの予測も出ている。

 ロシアの専門家は不動産価格の高騰について「政府主導の大規模開発で、ソチの国際的リゾート地としての成長が有力視されている」「国内有力投資家がソチの不動産市場に進出した」「中間所得層用の不動産需要に対し、供給戸数が少なく需給バランスが崩れている」の3点を指摘している。

 一方で、ソチ市内では、犯罪集団にだまされ、家屋を安値で売却させられたとする被害申告や、不動産価格につられ、生活用品や各種サービスの価格も上昇する現象が出始めた。

 ロシア政府も、冬季五輪開催に向けた今後の用地買収計画に大きな影響を及ぼしかねないとして、過熱する不動産価格の沈静化に向け、取引の監査に乗り出した。

 オリンピック関連施設の建設をめぐっては、すでにドイツとオーストリアの大手開発業者が進出を決定。日系企業の参加について、日本貿易振興機構(JETRO)ロシアNIS課の齋藤寛氏は「日本の大手ゼネコン企業がロシアでプロジェクトを手がける場合は、日系企業の進出に伴う工場建設などに限られていた。市場へのリスク分析から様子見のところがあるが、すべては具体化計画が決まってからだろう」と話す。

 ロシア経済分析が専門の大和総研の井本沙織主任研究員は「ロシア人にとって、ソチはあこがれのリゾート地。富豪たちがセカンドハウスほしさに物件を買い占めているのも高値の原因だ」と指摘。今後もインフレが進むとみられ、「もともとのソチ市の住民は、生活費が上がり、引っ越しを余儀なくされる人も出てくるのではないか」と話している。(佐々木正明)

by deracine69 | 2007-09-06 14:15 | ヨーロッパ  

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