イラク駐留軍 3万人削減容認へ 米大統領、あす情勢報告
9月13日8時3分配信 産経新聞【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領は13日夜(日本時間14日午前)、テレビ演説でイラク情勢を報告し、新たな政策を表明する。AP通信などによると、大統領はイラク駐留米軍の3万人削減を来年夏をメドに実施する方針を盛り込む。これにより、米軍兵力は今年1月のイラク新政策による増派以前の13万人態勢に戻る形となり、米国のイラク政策は転機を迎える。
イラクでの駐留米軍規模は、交代期の重複による一時的な増加を含めて現在16万8000人に達している。11日までの2日間にわたり、上下両院の公聴会で証言した駐留多国籍軍のペトレイアス司令官も3万人の削減が可能との判断を示しており、大統領の新方針はこの判断を容認するものとなる。
13日夜の大統領演説に続き、ホワイトハウスはイラク情勢に関する最終報告を文書でも公表する。文書の公表は14日とも伝えられる。最終報告は15日が公表の期限とされていた。
ブッシュ大統領はイラク西部アンバル県や首都バグダッドでの治安回復には成果を強調する一方、依然としてイラク情勢が「困難な状況にある」との認識を示す。また、3700人を超えたイラクでの米兵死者など米国内の強い懸念に対しても、理解を表明する見通しだ。
一方、イラク政策で政権批判の急先鋒(せんぽう)である民主党のペロシ下院議長は11日、記者団に対して「少なくとも向こう10年にわたってイラクへの大規模派兵に道を開く」として、ペトレイアス司令官の議会証言を批判。13日に大統領が示す報告を拒絶する考えを表明した。
by deracine69 | 2007-09-13 08:03 | 中東