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自民党新四役の顔ぶれ

2007/09/24 22:41 産経新聞

 自民党の福田康夫総裁は24日、幹事長、政調会長、総務会長の党三役に加え、新たに選挙対策総局長の名称を選挙対策委員長に変え、三役と同等とする人事を決めた。新四役の略歴と横顔をまとめた。

■伊吹文明幹事長 求心力は「今イチ」とも

 旧大蔵省出身で、主計局時代の蔵相は福田康夫・自民党総裁の父、赳夫氏だった。故渡辺美智雄元蔵相に見いだされ秘書官を務めたのをきっかけに政界入りした。

 安倍内閣で文科相として教育再生関連法の成立に尽力し、今年9月の安倍改造内閣で留任した。今年の通常国会では、事務所費をめぐる「政治とカネ」の問題が直撃したが、野党の追及を飄々(ひょうひょう)とかわす答弁ぶりが注目を集めた。

 実家は江戸時代から続く繊維問屋。郵政民営化に反対して亀井静香元政調会長が離党後、志帥会(伊吹派)会長として派閥の立て直しに努めた。

 ただ、総裁選では派閥として福田康夫新総裁支持を決めたが、多数の“刃こぼれ”が出たとされ、「求心力は今イチ」(関係者)との評も。今後、幹事長として党を束ねることができるか正念場を迎える。

■谷垣禎一政調会長 増税基軸の財政再建論者

 安倍政権で冷や飯を食べ続けた自民党谷垣派会長。党内きっての財政通として知られ、金融再生委員長、財務相を歴任した。18年、自民党総裁選に出馬した際、福祉目的税として消費税の10%化を掲げるなど、増税を基軸とした財政再建論者でもある。

 経済政策を宮沢喜一元首相に学び、宏池会(旧宮沢派)のホープとして早くから注目された。しかし、12年の「加藤の乱」で内閣不信任案に賛成しようとする加藤紘一元幹事長を「大将なんだから」と泣きながら制止する姿が映像で繰り返し流され、世論の批判にさらされたことも。小泉純一郎前首相から重要閣僚として起用され続けて復権した。政府の歳出削減を主導し、小泉改革を支えた。温厚な性格が人望を集める半面、優柔不断との批判もつきまとう。

■二階俊博総務会長 与野党通じた人脈と調整力

 多くの政党を渡り歩いて培った与野党での広い人脈と調整力を買われ、四役の中で唯一の再任。平成5年の自民党離党後、行動をともにした民主党の小沢一郎代表をよく知る元側近として、対小沢戦略の参謀役も期待される。

 衆院議員秘書、県議などを経験した党人派のたたき上げで、細やかな気配りには定評がある。日中国交正常化35周年の今年、両国で2万人の往来を計画するなど、中国との緊密な関係は政界トップクラスで、中国当局からの信頼も厚い。

 ただ、15年に自民党に戻ってからは総務局長、経済産業相、国対委員長と要職を歴任して急速に影響力を強めたことへの風当たりも強い。今月には派閥パーティーの代金の政治資金収支報告書への記載漏れが発覚、脇の甘さも懸念される。

■古賀誠選対委員長 保守本流だが…

 森政権下の幹事長以来、約6年半ぶりの表舞台への登場。加藤紘一元幹事長、山崎拓元副総裁との「新YKK」コンビで福田康夫氏の総裁選出馬をいち早く支持し、流れをつくった功績が評価された。

 派閥は宏池会(古賀派)だが、平成研(現津島派)の野中広務元幹事長の下で頭角を現し、平成10~12年に務めた国対委員長の連続在任865日は当時の歴代1位。広い人脈に定評があり、実務では道路行政への影響力が大きい。二階俊博総務会長と並ぶ「親中派」の代表格でもある。

 保守本流を自任するが、人権擁護法案の実現に向けた強硬論を唱えたり、会長を務める日本遺族会内に、靖国神社に祭られた「A級戦犯」の分祀(ぶんし)を検討する勉強会を立ち上げ、保守派の批判の的となることも多い。

by deracine69 | 2007-09-24 22:41 | 政治  

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