インドIT業界に陰り 米経済の不振響く
2008年04月23日08時51分 朝日新聞【ムンバイ(インド西部)=高野弦】インド経済躍進の牽引(けんいん)役となってきたIT業界に陰りが見え始めた。07年3月期まで年間30~50%の増益を続けてきた大手3社の決算は、この1~3月期はわずか3~9%の伸びにとどまり、大きく減速した。
米国がサブプライム問題に揺れ、IT投資を抑制したのが響いた。「米国経済の不振を新興国が補う」という筋立ては、揺れている。
インフォシス・テクノロジーズのゴパラクリシュナン最高経営責任者(CEO)は「あらゆる業界に波及する金融業界が打撃を受けているぶん、今回は、ITバブル崩壊時より状況が悪くなる可能性がある」との見方だ。
ドル安を背景にした、通貨ルピーの上昇も、海外の売り上げに頼る各社の業績を圧迫した。国内のインフレや、人手不足を背景にした人件費の上昇も響いた。
業界最大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)の08年3月期の年間売上高は2286億ルピー(5715億円)。98年にインドの国内総生産(GDP)の1.2%を占めていたIT業界は、07年には5.2%に上昇し、年間8~9%の成長を続けてきたインド経済を支えてきた。IT業界の鈍化は、マクロ経済の成長にも少なからぬ影響を与えそうだ。
by deracine69 | 2008-04-23 08:51 | アジア・大洋州