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<米国産牛肉>消費者不安再燃も 吉野家「完全復活」1カ月

4月24日0時3分配信 毎日新聞

 「違反肉だな」。牛丼チェーンの吉野家の社員は、埼玉県内にある自社の加工工場に保管していた米国産牛肉の箱を開けた瞬間、特定危険部位が混入していることに気づいた。3月にようやく、牛丼の24時間販売の再開にこぎつけた同社にとっては大きな衝撃。一昨年7月の2度目の輸入再開以来、徐々に薄らいでいた米国産牛肉に対する消費者不安が再び再燃しそうだ。

 埼玉県大利根町にある吉野家の「ミートセンター」。昨年8月に米国ナショナルビーフ社から輸入した牛肉が詰まった箱を、21日に開けた社員が、中身を見て驚いた。中に入っていたのは牛丼の材料になる「ショートプレート」と呼ばれる骨なしバラ肉ではなく、骨付きロースばかり。背骨は輸入禁止の特定危険部位に当たる。

 吉野家は、牛海綿状脳症(BSE)の発生で米国産牛肉の輸入が禁止されたことに伴い、04年2月に牛丼の販売を中止。06年9月に期間や時間限定で販売を再開し、3月20日に24時間販売にこぎつけ、悲願の「完全復活」を果たした。

 吉野家は現在、米国の13工場から牛肉を輸入している。「牛肉の在庫は確保しており、24時間販売の見直しはしない」(吉野家HDの吉村康仙・広報部長)と説明するが、不安なのは消費者心理の悪化だ。

 米国産牛肉は、大手スーパーでもほとんどが輸入を再開しているが、輸入量がまだ少ないこともあって、BSE発生前の水準には戻っていない。ダイエーは24日から、ナショナルビーフ社製の牛肉の販売を中止することを決めたが、今回の混入を機に再び米国産牛肉の販売を見合わせる店も出てくる可能性もある。

 日本は米国産牛肉について、月齢20カ月以下という輸入条件を付けているが、米国は日本に対し「BSE発生の恐れは低くなった」と条件の撤廃を求めていた。しかし、日本の慎重姿勢はさらに強まることが予想され、今後の交渉は暗礁に乗り上げそうだ。【田畑悦郎、工藤昭久】

by deracine69 | 2008-04-24 00:03 | 経済・企業  

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