クロマグロ養殖に熱視線=水産庁が技術開発に着手-商機とらえ、民間も本格展開
4月26日15時0分配信 時事通信水産庁は今年度から、マグロの中でも最高級品とされ人気の高いクロマグロの新たな養殖技術の開発に乗り出した。乱獲や海外での需要増加で天然物の流通量減少が見込まれる中、「養殖の出荷量アップにつながる」と水産業界関係者も期待を寄せている。
同庁が取り組むのは、波の荒い沖合での養殖に耐える頑丈ないけすの設計。波が穏やかで養殖に適した沿岸の漁場は「現在ほとんど残っていない」(水産大手)からだ。沖合での養殖は給餌など管理の手間もかかるため、省力化の方法も検討。民間企業や地方自治体との連携で事業費を半額補助し、5年がかりで完成させる。
天然クロマグロは、国際的な資源管理機関が各国の漁獲枠を削減するなど規制が強化されている。「資源が回復する明るい材料は見当たらない」(水産庁)といい、欧米や中国の需要増も相まって国内流通量は減少傾向が続く見込みだ。
水産業界も養殖事業に注目している。最大手のマルハニチロホールディングスは2007年、卵から飼育する形態の養殖を再開した。採算が合わないとして10年ほど前に撤退した試みだが、「この先天然物は取りにくくなる。養殖した成魚から採卵して飼育する完全養殖を目指したい」(広報IR部)という。
極洋も同年、養殖事業を開始。「養殖市場は発展が期待できる」(広報課)と、09年に初出荷を予定する。
by deracine69 | 2008-04-26 15:00 | 社会