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【船場吉兆会見(上)】断腸の思いで廃業を…湯木社長むせび泣きの会見

5月28日14時2分配信 産経新聞

【船場吉兆会見(上)】断腸の思いで廃業を…湯木社長むせび泣きの会見_f0013182_327116.jpg 28日午後、大阪市内で記者会見した船場吉兆の湯木佐知子社長ら。

 定刻の午後1時に、灰色の和服姿で会見場に姿を見せた湯木社長は2人の代理人弁護士に付き添われ、深々と一礼をして会見場に入った。

 カメラのフラッシュが一斉にたかれた。

 代理人弁護士から紹介を受けると、湯木社長は伏し目がちに何度も頭を下げ、続いて用意した書面を読み上げた。

 湯木社長 「このたび当社におきましては、お客様、関係取引先様、社会の皆様に大変なご迷惑をおかけし、食品の安全・安心に対する信頼を裏切ったことを心よりお詫び申し上げます。食にたずさわるものにあるまじき行為であり、誠に申し訳なく、社会のすべての皆様に対しまして、改めて深く心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

 《「申し訳ございませんでした」を何度も繰り返す湯木社長。頭を下げて5秒間ほどの沈黙の後、用意した書面を呼び上げた。涙声、フラッシュの音でかき消されそうなほどの声で続けた》

 湯木社長 「当社の不始末により、経営を異にしている他の吉兆グループ4社に対しましても、多大なご迷惑をおかけしましたこと、この場をお借りして、改めて深くお詫び申し上げます。もはやこのような状況の下で吉兆というのれんを用いて営業することは、他の吉兆グループに対してはもちろん、社会的にも許されないものと考え、本日、この名称を自主的に返上させていただくことと致しました」

 「また、今後の営業につきましても、名称の自主返上に合わせ考えました結果、これ以上の営業継続は困難と判断し、断腸の思いで…」

 《ここで声のトーンがあがり、湯木社長は唇を震わしながら嗚咽を漏らした。一瞬の沈黙の後、流れる涙をぬぐうこともせず、むせび泣きながら、消え入りそうな鼻声のままで謝罪の言葉を続けた》

 湯木社長 「本日をもって当社の営業を廃業させていただくことと致しましたので、その旨をお伝え申し上げます。長年にわたってごひいきにしていただきましたお客様、関係取引先様に対しましては、これまでの信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしたうえにこのような事態に至り、改めて深くお詫び申し上げます。そして何よりも、社会の皆様すべての方に、改めて深く心よりお詫び申し上げます。また、これまで再生に向けて支えてきていただいた従業員に対しても、この場をお借りしてお詫び申し上げる次第です」

 《3分ほどの書面の読み上げを終えると、鼻をすすり、メガネを外して涙をぬぐった。机におでこをつけるほどに深く頭を下げ続けた。続いて代理人弁護士が現状を説明した。弁護士からは、使い回し発覚後の批判が強く、予約が激減したことや全従業員のアンケート調査の結果、発覚した品種以外にも使い回しが行われていたことが報告され、湯木社長は神妙な表情で聞き入った。約15分後、質疑応答に移った》

--今回なぜ廃業に追い込まれたと思うか

 湯木社長 「5月2日の使い回しの件が発覚してから、お客さまの予約状況が、これまでの約半分から3分の1くらいに減って…。そして世間様をお騒がせし、これ以上営業を続けることはかえって…」

 《声がつまり、何度も言葉の空白が出る》

 湯木社長 「社会の皆様に申し訳ないと思いまして。いろいろ励まして頂いたお客さま、おいしいとおっしゃっていただけるお客さまいらっしゃいましたが、ご迷惑をかけることができないと思い、廃業させて頂きました」

--客をなめていた、あるいは商売をなめていた、甘くみていたという部分に関して、どのように反省しているのか、今どう考えているのか

 湯木社長 「再開後は決して使い回しは絶対にしておりませんでしたので、これから頑張ってお客様に喜んで頂くと、みな従業員一生懸命再開に向けて頑張っておりましたのに。決してお客様を…。喜んで頂くように、再開を全員一致してがんばっておりました…」

--その思いが、客の信頼回復につながらなかったのはなぜと思うか

 湯木社長 「やはり使い回しということがお客様の信頼、食に対する安心安全を裏切ったということで、大きな原因だと思います」


【船場吉兆会見(下)】のれんにあぐらかいていました…消え入りそうな声でお詫び(1時25分~終了)
5月28日14時44分配信 産経新聞


--他の吉兆グループの反応は

 湯木社長 「昨夜午後10時半から午前零時にかけて、携帯電話で各グループに謝罪と廃業について説明しました。各グループとも『体に気をつけて』『大変やね』などと優しい言葉をかけてくれました」

--今後については

 代理人「民事再生中なので、退職金などについては最優先の手続きになる。破産管財人のもとで手続きが進められる」

--他の吉兆からの助けは

 湯木社長 「以前、休んでいたとき、従業員らを預かってもらっていました。食の安全に関するコンプライアンスについて、グループ全体で協力態勢を整えていました。各店とも苦労しています」

--度重なる使い回しで見放されたのか

 湯木社長 「そうではありません。従業員はがんばってくれていました。こうした事態になったのは、私の不徳のいたすところ。胸がいっぱいです」

--廃業に至った最大の原因は何だと思うか

 湯木社長 「暖簾にあぐらをかいていたと思います…」

--最初の偽装発覚のときに心底の気持ちからの対応をしていれば、廃業にまで追い込まれなかったのでは

 湯木社長 「その食品偽装の衝撃で…。わたしの気持ちですけれど、何度かご理解を得られたような感じで。1月、2月、3月と予約状況も上向いて…」

《前を見ることができず、聞き取れないほどの声で言葉を発する湯木社長。ハンカチで頻繁に鼻をぬぐう》

--5月2日の発覚から1カ月近くたっている。もっと早く決断できなかったのか

 湯木社長 「内部調査とか、ありましたので…」

--以前からの使い回しについて本当に知らなかったのか

 湯木社長 「調理場におりました者がどのような経緯だったのか…。仕分けしていたことは気づいておりましたが」

《苦しい説明が続く。追及する記者の質問を代理人弁護士がやんわりとさえぎる場面も》

--今後どんな風に生きていくのか

 湯木社長 「そうですね。今はご迷惑をかけた方に…償いをさせて頂いて、ご迷惑が少しでも軽くなるように、それだけを考えています…」

《涙があふれ止まらない湯木社長》

 湯木社長 「…。今は自分のことを考える余裕がございません。お取引先の方に迷惑をかけて、そのことで、頭がいっぱいでございます」

--体調はどうか

 湯木社長 「体調は今は張り切ってますから、どこか悪いということはございません」

《この言葉を最後に。午後2時5分、会見は終了。湯木社長は5秒近く深々と頭を下げ、会見場を後にした》

by deracine69 | 2008-05-28 14:02 | 社会  

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