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1リットル=200円“ガソリン狂騒曲”

6月6日10時0分配信 日刊ゲンダイ

●絶好調の商社は儲け過ぎ批判に呆然

 1リットル=200円時代が目前! 原油価格がここまで暴騰すると、さすがに大企業もカリカリ来ている。

 2日、信越化学工業が「日経ビジネス」(日経BP社、6月2日号)に掲載された特集記事に抗議した。問題の記事は、原油が1バレル=200ドルになった場合、日本企業の業績にどの程度影響を与えるかというテーマで、生保系シンクタンクのエコノミストの試算を紹介したものだ。とくに影響度の大きな50社が取り上げられていて、信越化学は3番目。

 同社はHPで「架空の試算数値を掲げ、あたかも弊社に大幅減益の危険があるかのような著しく誤った印象を読者に与え、投資家の皆様、お取引先にも少なからぬ不利益をもたらしかねない不当な表現がありました」とエコノミストの試算に疑義を示した。さらに、一番影響がある企業を見出しにせず、信越だけを載せた出版サイドの姿勢も問題視した。

 証券関係者が言う。

「エコノミストと企業の間で見解の違いはよくありますが、企業側がアナリスト個人に対し公然と抗議することは珍しい。原油高にきわめて敏感になっている証しでしょう」

 商社にとっても頭が痛い。儲けすぎ批判が産業界から上がっている。
「我々が市況を決めるのではないので……」

 先月30日、日本貿易会会長就任の記者会見で、この問題をぶつけられた勝俣宣夫氏(丸紅会長)は返答に窮した。「商社の収益は資源だけでない」と言うのがやっと。

 買い控えを恐れているのは自動車業界。

「燃費が良い軽自動車にしてくれるならまだいい。クルマを買わなくなることが怖いです。乗らないと事故が起きない。だけど毎月保険料が入る。ほくそ笑んでいるのは、損保会社だけですよ」(自動車関係者)

 ガソリンスタンド業界からはグチともアキラメともつかぬ声が。
「薄利多売のGSの限界点は1リットル=160円。もはや廃業しかないという怨嗟(えんさ)の声が出ている。売る場が激減したら、値上げに走る元売りにとってもマイナスなんですけどね」(関東近郊のGS経営者)

 一段の価格アップは避けられない。原油高狂騒曲はこれから本番だ。

by deracine69 | 2008-06-06 10:00 | 経済・企業  

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