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大阪市WTC再建断念 税金600億円投入も

2008年7月9日3時2分 朝日新聞

 大阪市の平松邦夫市長は8日、特定調停で経営再建中の第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、住之江区)について、特定調停による再建を断念する考えを明らかにした。特定調停から4年でWTCは二次破綻(はたん)することが確実となり、今後、最大600億円の市民の税金が投入される可能性が出てきた。

 平松市長は8日の市議会市政改革特別委員会で「再建は新たな資金投入を必要とするため、事実上困難だ。今後は六つある処理策から考えていきたい」と答弁した。総務省によると、06年度までに金融機関と特定調停が成立した第三セクターは全国で12あるが、その中で二次破綻するのはWTCが初めて。

 市は特定調停で、WTCが債務を返済できなくなった場合に返済を肩代わりすることになっており、二次破綻に伴う新たな市民負担は最大で総額約600億円にのぼる。

 WTCは90年代半ば、隣接する「アジア太平洋トレードセンター」(ATC)とともに「世界のゲートウエー」として大阪南港・咲洲(さきしま)に完成した。しかし、建設費の増大やテナント入居率の伸び悩みで数年で破綻状態に陥り、04年2月、市と金融機関はWTCとATCを特定調停で再建させる道を選んだ。

 昨年12月に就任した平松市長は今年5月から6月中旬にかけて、三井住友やみずほなど5銀行に計509億円の債権の一部放棄を要請したものの、銀行側は拒否。特定調停を承認した市議会が付帯決議で新たな資金投入を禁じていることもあり、再建断念を決断せざるを得なかった。

 大阪市の第三セクターのあり方を検討する特定団体再建検討委員会は今年2月、WTCについて、特定調停に基づく再建策4案と、破産、再調停、会社更生法の申請など処理策6案を提示している。平松市長はこの日の市議会で「一つの案にとらわれることなく、それぞれのメリットを採り入れながら処理を進めていく」と答弁。今後は処理策6案の中で市民負担が少なくなる方法を検討する方針だ。

 WTCをめぐっては、6月26日に、市がWTCに入居させている市部局の賃料が不適正に高額かどうかを争う住民訴訟の判決があり、市側は勝訴していた。(小倉いづみ)

by deracine69 | 2008-07-09 03:02 | 行政・公務員  

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