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150年前の「地震予知機」を復元 大阪の和時計研究家

7月9日23時47分配信 産経新聞

150年前の「地震予知機」を復元 大阪の和時計研究家_f0013182_335216.jpg 大阪市東成区大今里南の和時計研究家、澤田平さん(73)が、約150年前の「地震予知機」を復元した。安政2(1855)年の江戸大地震について記録した古文書「安政見聞誌」に書かれていた図面をもとに再現した。「防災意識を高めるための話題になればいい。研究者は地震の予知はできるという信念でがんばってほしい」と澤田さんは話している。

 予知機は真鍮(しんちゅう)製で、支柱部分を含めた高さは約65センチ。大地震の前に生じる地磁気の変化を、磁石の磁力の変化によって察知する仕組みという。磁力が弱まり磁石につけていたおもりが落下する際、約2秒間ベルを鳴らして知らせるとされる。

 安政見聞誌は、江戸大地震翌年の安政3年に書かれている。澤田さんは和時計の研究家として日ごろから資料収集に努めており、この古書を古本店で入手したという。

 江戸・浅草の眼鏡屋、大隅源助が店の看板代わりに置いていた大磁石の磁力が地震発生の約2時間前に弱まり、くっついていた古釘や古鍵などが落ちてしまったエピソードが紹介され、この現象をヒントに、当時の人が地震予知機を発案したと書かれていた。

 澤田さんは「地磁気が地震前に変化することは科学的な根拠がある。このタイプの地震予知機は江戸期の思想家、佐久間象山も作っていた」と話す。現代も地震予知の指標の一つに、地磁気の変化を利用しようと模索している研究者もいる。

 地域の福祉施設などに招かれて研究について話す機会などで、復元した地震予知機を紹介している澤田さん。「江戸時代にすでに磁力の変化をとらえる予知機が発明されていたのは驚き。地磁気だけで、いつ、どこで、どの程度の地震が起きるのか予知することはこの装置でも、現在の技術でも難しいが、防災意識を高めるための話題になれば」と話している。

by deracine69 | 2008-07-09 23:47 | 社会  

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