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クーデターから2年、混迷のタイ揺さぶる3つの審判

2008年07月08日 21:28 AFPBB News

 【7月8日 AFP】タイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相が無血軍事クーデターにより政権の座を追われてから2年。元首相の汚職疑惑に関する公判が8日、タイの最高裁判所で開かれた。

 貧困層に人気のあるタクシン首相とポチャマン(Pojaman Shinawatra)夫人だが、有罪となれば禁固13年の刑に服す可能性もある。

 今回の裁判は、タクシン元首相と側近に対する多くの告発のうちの1つに対するものでしかない。タクシン派が率いる新政権に対し、国内ではすでに大規模な抗議行動が続いているが、この裁判によって現政権がさらに行き詰まるとの見通しもある。 

 最高裁は、タクシン元首相が夫人のためにバンコク(Bangkok)市内の不動産を購入した際、評価額の3分の1で不法に取得したとの疑惑について審理している。公判は今後2か月に及ぶ予定で、最高裁であることから、有罪でもタクシン元首相側は控訴できない。

■8日に2つの審判、内閣弾劾への動きも

 2年前にクーデターを起こした軍幹部らは、タクシン政権の広範囲に及ぶ腐敗がタイの民主制をむしばみ、また国王を侮辱していると非難し決起した。

 タクシン元首相の顧問弁護士3人は6月、判事の買収を試みたとして実刑判決を受けた。元首相は資産20億ドル(約2200億円)以上を凍結されており、最近では一時出国も禁じられた。

 タイの裁判所では8日、サマック・スントラウェート(Samak Sundaravej)現政権が絡む1件を含む2件の審判が下っている。

 憲法裁での審理では、カンボジアとの国境にある建立900年の古寺「プレアビヒア寺院(Preah Vihear Temple)」の世界遺産登録をめぐり、サマック政権がカンボジア政府への支援に合意したのは不当だとの判断が下された。憲法裁は、国境に関する事柄はすべて議会の承認が必要であり、サマック政権がこれを怠ったとした。この判断により、内閣全体への弾劾手続きが開始される道が開かれた。
 
 ブラパー大学(Burapha University)のWiszanu Boonmarat氏はこの判断により、総選挙もしくはトップレベルの閣僚の辞任への圧力が高まったと指摘する。「政治的責任を取る以外に道はない。国の最高法規による判断だ。現政権にもはや正当性はない」(Wiszanu氏)。

■最高裁、前下院議長に選挙違反で有罪判決

 一方、最高裁は8日午後、選挙での不正が問われたヨンユット・ティヤパイラット(Yongyut Tiyapairat)前下院議長に対し、有罪の判決を下した。前議長は議員資格をはく奪され、さらに5年間の政治活動の禁止を命じられた。

 この判決により強制捜査の道が開けたため、与党全体に波及し、解散総選挙を招く可能性が出てきた。

 前月、議会での不信任決議を切り抜けたものの、すでに窮地にあるサマック政権にとって、これらの裁判の行方は命運を握るものだ。タイ各地ではすでに7週間にわたり連日、街頭デモなどの抗議行動が続いている。

 反タクシン派の「市民民主連合(People's Alliance for Democracy、PAD)」の活動家たちは、サワット首相はタクシン元首相の操り人形に過ぎないとし、サワット氏の退陣を求めている。(c)AFP/Thanaporn Promyamyai

by deracine69 | 2008-07-08 21:28 | アジア・大洋州  

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