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“共倒れ”か、“禅譲”か 麻生氏は池田元首相になれるか

8月1日19時31分配信 産経新聞

 国民的知名度から「ポスト福田」の最右翼とされてきた麻生太郎氏が、福田康夫首相に請われるかたちで自民党幹事長に就任した。「次」を狙う麻生氏にしてみれば、今後、首相と「共倒れ」するリスクがあるが、あえて首相と命運をともにする道を選択した。かつては、祖父、吉田茂元首相の門下生で麻生派の源流である「宏池会」の土台をつくった池田勇人元首相が、周囲の反対を押し切り岸信介元首相を閣内で支え、後に岸氏から事実上の「禅譲」を受け宰相の座を射止めた。歴史は繰り返すのか…。

 池田氏は昭和33年発足の第2次岸内閣で無任所の国務相として入閣したが、岸氏が治安対策強化を狙って警察官職務執行法改正案を強引に成立させようとしたことから、三木武夫氏らとともに辞表をたたきつけて閣外に去った。しかし岸氏が34年、安保改定を仕上げるために内閣改造を断行し、挙党態勢確立を目指した際には、周囲で渦巻いた慎重論もよそに通産相として閣内に入り、岸氏を全面的に支えた。

 むろん、池田氏に「次」を狙った“下心”がなかったわけではないだろう。岸氏は警職法改正問題で窮地に立った折、大野伴睦元自民党副総裁を「後継総裁に推す」と約束したが、35年の退陣表明後の党総裁選では岸派挙げて池田氏を支持し、池田政権発足への原動力の1つとなった。

 昨年9月の安倍晋三元首相の電撃退陣を受けた党総裁選で袂(たもと)をわかち、福田政権と距離を置いていた麻生氏が一転し、首相の片腕として政権を支えていく決断を下した背景には、「首相のおひざ元の最大派閥、町村派に恩を売っておくことがポスト福田を狙ううえで近道になる」(麻生派中堅)との判断もあるとみられる。

 くしくも岸氏は、町村派の原点である「清和会」の礎を築いた。自民党のベテラン議員はこう言う。

 「戦後昭和の『岸-池田』コンビの構図がそのまま、政権浮揚がかけた『福田-麻生』のタッグとダブらなくもない」

by deracine69 | 2008-08-01 19:31 | 政治  

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