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暑すぎて仕事効率低下も…クールビズ28度の疑問噴出

ZAKZAK 2008/08/06

 夏のビジネス軽装として定着した「クールビズ」だが、4年目を迎え、冷房の設定基準温度とされる「28度」に疑問の声が噴出している。科学的な根拠はなく、専門家は「パンツ一丁にならないと快適さは得られない暑さ」と指摘、暑すぎて「仕事の効率が下がる」と弊害を指摘する研究結果も出ている。小池百合子元環境相の主導で始まったキャンペーンだが、汗だくで仕事をさせられるサラリーマンが反旗を翻す日も近い!?

 「28度でも涼しい」

 エアコン国内最大手、ダイキン工業は夏商戦向けのテレビCMで、温度ではなく湿度をコントロールして体感温度を下げる技術をこんなキャッチフレーズでPRした。言外に「28度では快適に過ごせない」とも読み取れるだけに、放送していいものか社内で大激論が交わされたという。

 営業担当者が語る。

 「28度では正直、暑いですよ。現状ではクールビズでみなさん我慢を強いられている。その点を問題提起するためにも、これでいこうとなりました」

 設定基準温度は義務ではないが、横並び意識の強い日本人。大手企業を中心に28度を守っている会社は意外に多い。「設定温度を守る拠点ではみんな汗だらだらで仕事しています。見ていてかわいそうになりますよ」(大手食品メーカーの女性社員)

 日本建築学会によるクールビズのオフィス環境への影響に関する調査では、軽装でも室温が25度から1度上がるごとに作業の効率は2%ずつ低下。クールビズはニューヨークの国連本部でも今年8月から導入されたが、事務局棟が現在の約22度から約25度に、外交官が出入りする会議棟は約21度から約24度に上げただけだった。

 神戸女子大学家政学部の平田耕造教授(被服環境生理学)は「28度は高すぎる」と断言する。「生理学的にもっとも快適に感じるのは28~30度だが、それは裸の話。服を着ていると28度では不快感を感じる。一般的には26度ぐらいにすべき」とし、「OA機器が多く、体を動かす職場ではもっと下げる必要がある。温度の感じ方は千差万別で、28度という一律の枠を作る発想がおかしい」と批判する。

 科学的にみても「28度」は高温であることがわかるが、なぜこうなったのか。

 クールビズの源流は、関西の自治体や経済団体で構成する「関西広域機構」が99年に始めた「エコスタイル運動」にさかのぼる。同機構の広報担当者は「環境相就任直後に視察にこられた小池さんに、『それ、いいわね』と気に入っていただき全国に広まったんです」と自慢げに説明する。

 ところが、28度の根拠を突っ込むと「建築物衛生法で定められたオフィスの上限温度というだけで、根拠があるわけでも厳密な計算をしたわけでもないので…」としどろもどろ。

 「強制しているわけではありませんし、臨機応変にそれぞれの判断でやってもらわないと…」

 一方、クールビズで名前が売れ、いまや将来の首相候補とも言われる小池氏は「室温28度は建築物衛生法、労働安全衛生法の上限温度を根拠にしています。部屋の向き、人口密度やOA機器の多寡によって実際には温度が上回る場合はあります。空調機の温度設定と実際の温度との差が生じることもあります。建築物や空調の種類にもよりますが、涼しい日でも28度の温度設定のままでいるケースなど、より細やかな対応、工夫が求められます。総合的な意識変革と技術革新のきっかけになることを期待します」とコメントした。

by deracine69 | 2008-08-06 12:00 | 社会  

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