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原油高が後押し、都会型レンタサイクルは普及するか

8月12日9時0分配信 ダイヤモンド・オンライン

 ガソリン価格の高騰が続き、マイカー通勤を差し控えて電車を使うよう社員に推奨する企業も出てきている。今後ますます自動車離れが進むのはまちがいないところだろう。

 そこでクルマに代わる移動手段として注目したいのが自転車だ。渋滞知らずで、地球環境に優しく、健康促進にもつながるとなれば、近距離を移動することの多い都会のビジネスマンにはうってつけ。実際、都会での自転車利用が増えているという報道も多い。

 この傾向は、日本のみならず海外でも同様。各国で、無料もしくは安価で自転車を提供するレンタサイクルのサービスが増えてきている。

 フランス・パリでは市民や観光客、そしてビジネスマンを対象にしたレンタサイクル事業「ベリブ(Velib)」が7月15日から始まった。市内各所に設けられたサイクルポートで料金を支払い、自転車を借りるこのシステム。これまでヨーロッパの大都市における主な移動手段といえば自動車か地下鉄だったが、すでにレンタサイクル制度を導入しているバルセロナ(スペイン)、ジュネーブ(スイス)、ウィーン(オーストリア)などの各都市にパリが追いついたかたちになる。パリ市当局は年末までにサイクルポートをさらに増やし、レンタサイクルの台数も拡大するという。

 国内でも、ユニークなレンタサイクルの制度が始まっている。バイクオフコーポレーション(福島県いわき市)が2007年9月から運営している「エコチャリ」は、大学キャンパス内の駐輪場や各種商業施設、駅前や公共施設等の駐輪場から引き揚げた放置自転車を再生して、大学生に卒業まで無料でレンタルするサービスだ。

 現在は大学生のみ対象だが、今後は高校生、中学生へも提供の枠を広げていくという。ちなみに運営費用は自転車の車体に企業名入りステッカーを貼る広告費で賄っている。

 実は3、4年前に、都内でビジネスマン向けの貸し自転車がブームになりかけたことがある。当時も同じく「健康」「環境」「手軽」という理由で一部で好評を得ていたが、いまやそのほとんどが撤退している。レンタサイクルという言葉には、観光地の駅前で借りるイメージが強く、日常の移動手段には結びつかなかったのかもしれない。

 しかし、昨今の原油高が家計や企業に及ぼす影響は当時とは比較にならない。安全面、駐輪スペース、盗難防止など課題はまだ多いが、原油高に後押しされ、都心でレンタサイクルブームが再燃する可能性は大きい。

by deracine69 | 2008-08-12 09:00 | 社会  

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