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オバマ“暗殺阻止”緊急指令…無数の闇組織の標的に

シークレットサービス22人を倍増
ZAKZAK 2008/11/06

 建国初の黒人大統領就任が確実となった、米民主党のバラク・オバマ上院議員(47)。4日夜(現地時間)、シカゴで大勢の支持者を前に勝利宣言したが、演壇には早くも特注の防弾ガラス4枚が設置され、世界でも異例の超厳戒態勢が敷かれた。白人至上主義が根強い米国。オバマ氏が大統領候補になってから、すでに3件の暗殺未遂事件が発覚している。大統領就任は来年1月だが、早くも姿を見せないテロリストと警備陣の激しい神経戦が始まっている。

 4日午後11時。ミシェル夫人と2人の娘ととももに演説会場に現れたオバマ氏に対し、約12万5000人超の支援者は、キャッチコピーの「Yes、We can!」を大絶叫。演壇に立ったオバマ氏の勝利宣言を盛り上げた。

 米各メディアはこの熱狂を全世界にリアルタイムで伝えたが、大統領候補の周辺は極度の緊張感が漂っていた。演壇後方には20本余りの星条旗がはためくが、両サイドには高さ3メートル厚さ6センチの防弾ガラス4枚が設置された。明らかに、超高層ビルが林立するシカゴ市内での狙撃リスク回避のための緊急措置だった。

 オバマ氏には昨年5月の時点で、大統領の警備を担当するシークレット・サービス(SS)が身辺警護を開始。「大統領選候補を対象とした対応では過去に例がないほど早いタイミング」(ニューヨーク・タイムズ紙)といい、当初から米当局が、暗殺を懸念していたことになる。

 通常、大統領警護のSSは22人で編成されているが、オバマ氏については、今年1月から現職並みの警備レベルに引き上げられた。大統領就任後は倍増するとの見方も出ている。

 過去に例を見ない厳戒体制について、佐々淳行元内閣安全保障室長は「家族警護も含めれば、3倍増強しても足りないくらい危険度は高い。彼は民衆の中に溶け込んで対話することを好む人間。より厳重な警護計画を立てるSSと対立するのは確実。要員を増やして“人間の盾”を厚くし、本人は常時防弾チョッキを着用するしかない。私がSS責任者なら、今すぐにも辞任するだろう」と話す。

 米国初の黒人大統領候補には、予備選挙の段階から暗殺危機が懸念されてきた。先月も、白人優越主義者の白人の男2人が銃不法所持容疑で逮捕。同氏の暗殺を企てていたことが判明したばかり。このほか2件の暗殺未遂事件も確認されている。世界最大の検索サイト「グーグル」でも「オバマ、暗殺未遂」が最新検索ワードランキングで3位に入るなど、常に米国民の関心事だ。

 一方、米国最大の白人至上主義者集団「KKK」(クークラックスクラン)の支部がオバマ氏支持を表明し、2万5000ドルの選挙資金を寄付したと、一部米メディアが報じたが、こちらは後にデマだったことが判明している。

 暗殺リスク要因は、肌の色だけではない。

 オバマ氏はイラクからの即時撤退や、イランや北朝鮮に自らが出向いて、直接テーブルにつき平和的交渉を進めることを公約に掲げ、CO2排出制限の明確な数値目標も米国全体で進めるなど、リベラル平和主義で知られるが、このことがより暗殺リスクを高めている。

 専門家は「アメリカには、戦争ビジネスで成り立っている闇の組織が無数にあり、スーパーパワーを手にした平和主義者は当然、彼らの標的となる。JFK、キング牧師、ジョン・レノンがそうであったように、今後オバマ氏が暗殺されても、敵に回したアメリカの闇組織が多すぎるため、真の犯人が誰かまったくわからなくなる」と指摘している。

 日本の総務省が2004年の大統領選を想定して作成したホームページによると、選挙人投票(12月)後だと、仮に大統領候補が死亡した場合は副大統領候補が、正副大統領が死亡した場合は下院議長が、下院議長が死亡した場合は下院議長代行が大統領に就任する。

by deracine69 | 2008-11-06 23:59 | 北米・中南米  

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